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高校

チャレンジから生まれる「学び」を活かす/高校/大阪

学校長 嶌岡 忠彦 先生 | 国語科 藤岡 裕美 先生 (写真右から)

近畿 / 大阪

[公立] 大阪府立信太高等学校

学校長 嶌岡 忠彦 先生 | 国語科 藤岡 裕美 先生 (写真右から)

本校がめざしている教育

 本校では『チャレンジSHINODA』を合言葉に、学校を挙げて何事にも積極的に取り組む姿勢を大切にしています。その中で、成功はもちろん失敗からも学ぶことにより、本校がめざす「知・徳・体」の調和のとれた人間育成とともに、社会人としてたくましく自立できる資質を高めることができると考えています。この考えのもと、本校では「基礎基本の定着」と「生徒の自尊感情の育み」を目的に漢検を活用しています。

教育の根幹としての漢検

 漢検の特長は、生徒一人ひとりの個性を発掘し伸長することだと思います。その理由として、以下2点が挙げられます。
 第1に、「基礎基本の定着」に不可欠なのが、昔から言われている「読み・書き・そろばん」の徹底です。中でも「読む」「書く」能力を漢検で育成することができます。また、生徒にとって生活に身近な漢字は、取り組みやすい分野であることも利点の1つです。
 第2に、「生徒の自尊感情の育み」について、漢検は学習指導要領に沿った級設定や合否結果が明確でわかりやすいため、生徒の頑張りを褒めたり認めたりする良い機会になります。その結果、生徒も達成感や成就感を抱くことができます。これらの意味で、漢検は一石二鳥の取り組みとして、本校の教育の根幹に位置付けられています。

漢字指導と取り組み方法

 1年生では小テストや毎学期の100問テスト、模擬テストなどきめ細かな漢字指導を行ない、2年生では全員受検を実施しています(写真1)。特に、自学自習を促すため国語科準備室に取り揃えた協会発行教材や参考書の貸し出し(写真2)は生徒に好評です。このような主体的に学習する姿勢、日々こつこつ積み重ねる習慣によって成果をあげられることを実感しているのだと思います。また、2年生での全員受検に向けて共通の話題になったり、互いに切磋琢磨したりと、生徒の雰囲気の変化を感じることができます。この取り組みが奏功し、3年生の中には、より上位級に挑戦する生徒もいます。

受検の様子
参考書の書き出し



漢検活用の効果と意義

 漢検を導入して以来、着実に効果が現れています。まず、学校の体制として、国語科に限らず全教員で役割を分担し、また保護者の協賛を得て、今や一大イベントに定着しています。事実、希望者受検の際の志願者数が毎回増加してきているだけでなく、全体の合格率も上昇してきています。次に、生徒の進学や就職に役立っています。漢検は履歴書に資格として書くことができるほか、日本語の語彙が豊富になることにより、面接や小論文の場で自らの意見を的確に伝えることができます。
 さらに、保護者にも好影響を与えています。我が子の努力を純粋に喜ぶだけでなく、その真剣な姿に感化され、保護者も受検するという実例も聞いています。一緒に勉強に励む機会になるなど、家庭内で親子のコミュニケーションを取るきっかけにもなっているようです。このように生徒・保護者・教員が三位一体となり、漢検というチャレンジを通して、基礎的な学力の伸長や「やればできる」という自信を持つことが、さまざまな学習活動、ひいては生徒たちの将来につながっていくと確信しています。


※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。

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