団体受検 取組事例(小・中・高 等)
高校
目標に向かって努力することの大切さを伝えたい/高校/千葉
関東 / 千葉
[公立] 千葉県立船橋北高等学校
進路指導部 柄 先生 | 秋山 先生
近年、社会一般で言われていることは、「自分が何をしたいのかわからない」という生徒が増えているということです。目標が見つからず、学ぶことの意味を見出せない生徒の増加という問題に対応するため、進路指導部では1年次から進学ガイダンスや職場見学の機会を多く設けるとともに、全校生徒による漢検受検を始めました。目標を持ち努力することの尊さを伝えたかったのです。生徒にとって身近な資格であり社会に広く周知されていること、基礎学力向上に必要な言語能力を養えること、が導入の決め手となりました。
学年単位の指導による徹底反復が合格への鍵
漢検の事前対策は、各学年の進路担当を中心に行っています。教科横断的な体制でクラスごとの取り組み差を小さくする狙いです。協会発行『実力養成問題集ステージ』の内容を参考に作成した漢字プリントを、毎放課後に取り組ませます。「熟語の構成」「誤字訂正」など語彙活用分野の定着が合格への鍵といえるでしょう。はじめは嫌がっていた生徒も、毎日続けるうちに学習が習慣化され、いつしか自主的に取り組むようになっていきました。最終的には、生徒は受検結果の成否に関わらず「一つのことをやり遂げた」という達成感を得るようです。また、漢検協会から送られる結果通知の工夫(不合格時は「合格まであと何点」と記載される)も、生徒が自己の成長を確かめる上で役立っており、更なる挑戦につながっています。
基礎学力と意欲を身につけさせたい
生徒は、社会に出た後、幾多の試練に直面しますが、その一方で「本気でがんばった」経験なしに卒業してしまう生徒もいます。本校が進路指導の一環で漢検を実施しているのは、何か一つでも努力したと胸を張れる経験を持つことが、将来彼らの挑戦行動の呼び水になると考えるからです。私たち教員は、反復練習で身につける「基礎学力」、そして挑戦を繰り返すことで得る「意欲」こそが、未曾有の時代を生き抜く力なのだと信じ、子ども達に粘り強く伝えていきたいのです。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。