団体受検 取組事例(小・中・高 等)
高校
本校の教育に漢検は欠かせないものになっています／高校／東京
関東 / 東京
[私立] 東京都市大学等々力中学校・高等学校
国語科主任 友田 信一 先生
本校の漢字教育
本校では、日本漢字能力検定（以下、漢検）を昭和50年代から実施してきました。今では、中学校・高校の全校生徒に最低でも年1回は漢検を受検するように指導しています。そして、学校全体で、高校卒業までに2級取得を目標として漢検に取り組んでいます。
週に1回行っている漢字テストは漢検対策を兼ねています。このテストでは、各学年に対応する漢検の級レベルに応じて事前に出題範囲を指定しています。日々の学習が漢検対策に直結するということもあり、生徒たちは全員、真剣に取り組んでいます。
表現力向上のために不可欠な語彙力
本校では"Lip"（リテラシー・プレゼンテーション）という、表現力を向上させるための授業を取り入れています。例えば「日本」というテーマが与えられると、生徒はグループに分かれて、日本を構成する要素やその表現方法などを話し合います。最終的にグループごとにプレゼンテーションをするのですが、プレゼンテーションの方法についても口頭か、図表か、動画かなど、最も効果的な発表方法をグループで考えます。"Ｌｉｐ"の前提として、生徒達には自分の思いや考えを表現できるだけの一定の語彙力が必要となります。漢検に向けた学習は、"Lip"の前提となる語彙力獲得にも結びついています。
学習意欲向上のための漢検活用法
漢字をただ機械的に覚えるのは生徒にとっても大変な労力がかかります。また、勉強量は確保できても、どの程度まで定着しているのかという結果が目に見えず、達成感を得にくいのも事実です。そこで、生徒が勉強した分だけしっかりと評価される漢検は、学習の目標となります。漢検は合格・不合格という明確な結果が出るため、生徒の漢字に対する学習意欲が飛躍的に向上しました。
写真：表彰の様子 また、学習意欲をさらに向上させるために、協会が提供している表彰支援制度を活用しています。本校では、上位級に合格した生徒や高得点で合格した生徒を中学校・高校全体の中から選考し、全校生徒の前で表彰をしています（写真参照）。中学校・高校全体から選考することによって、学校全体の士気が上がり、高校生と中学生がお互いにいい刺激を与え合っているようです。全校生徒の前で表彰式を行うことで、表彰された生徒はモチベーションが上がり、次回の漢検受検はもちろんのこと、漢検のみならず他分野にも積極的に挑戦するようになりました。さらに、表彰される生徒を周りの生徒が見ることで、「自分もやればできる」というやる気を引き出すことができています。
本校の教育に漢検は必要不可欠
漢検を導入してから、20年以上経過しますが、年を重ねるごとに漢検に期待するものは大きくなってきています。生徒が漢検を受検し、漢字を勉強することで、語彙力・文章力も身についてきています。また、漢検を通じて学習意欲を向上させることもできています。こうした漢検導入による効果は国語のみならず、全ての教科につながっていると考えています。漢検は、学校全体の教育ツールの1つとしても必要不可欠な存在になっています。
高潔・英知・共生という教育理念に基づいて、高い知性を獲得するために今後も漢検に取り組んでいきたいと思います。
学校紹介
校長：海老原 大樹 生徒数：1011名
本校は、Noblesse oblige（ノブレス・オブリージュ）の精神とグローバルリーダーの育成が理想の教育像です。
誇り高く高潔な人間性を陶冶することに教育の基本を置いています。そして、高潔の士にはそれにふさわしい責任と義務とが伴うものだという自覚を促し、その上でその責務をどう果たしていくべきかを常に意識して行動できるような若き有能な人材を育てたいと思っています。変転して止まない現代社会にあって、常に不動の一点を見つめて生きることができる、「プリンシプルを持った若者」。本校では高い理想の人格教育を掲げて発進します。
※掲載内容（所属団体、役職名等）は取材時のものです。
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