基礎・基本の要として学校全体で漢検に取り組んでいます／高校／石川

漢検実施の目的

　本校は1995年から漢検を実施しています。ここ数年は年に2回実施しており、具体的には第1回検定は希望者にて、第3回検定は1年生と2年生が学年全員で受検しています。
　漢検を実施する目的は3つあります。まず生きる上で欠かせない漢字力を全生徒に身につけてもらうため、次に検定を通じて何かに取り組むことで得られる達成感を経験してもらうため、そして最後に就職・進学に役立ててもらうためです。
　本校では、様々な検定を導入していますが、漢検は学校全体で取り組んでいるという点で特別な検定です。漢字力はすべての教科の基礎・基本になると考えているため、全教員が一丸となって連携し、全生徒に対して受検機会を提供しています。国語科教員だけでなく、クラス担当教員や部活担当教員など様々な教員が様々な場面で「漢検の準備は進んでいる？！」などと声をかけ、指導することで、生徒達の学習意欲を保つように工夫しています。

具体的な指導方法

　生徒には、(財)日本漢字能力検定協会発行の問題集と一緒に、いつまでにどの単元まで終わらせるということを明示した計画表を手渡します。そして、この問題集を最後まで終わらせるように細かく指導しています。時には、計画通りに進んでいない生徒を集めて、放課後に問題集に取り組ませるということもあります。徹底的に指導することで、漢字力が身につくのはもちろん、問題集をやり抜く過程から生徒たちの達成感や自信を育むということも意識しています。

漢検の結果渡しについて

　漢検の合否結果を全教員に共有し、合格者に対しては、あらゆる教員から「合格おめでとう！」「すごいね！」と声をかけるようにしています。生徒は合格したことそれ自体をとても喜んでいますが、さらに各方面から賞賛されますので、その喜びや達成感が倍増しているようです。また、合格できなかった生徒も「あと何点で合格できたのに！」ととても悔しがり、その悔しさが次の挑戦に向けた学習意欲につながっています。

　

漢検実施の効果

　漢検実施の効果としてまず挙げられるのが、生徒達が「自分自身の力で合格を勝ち取った！」という達成感を強く感じていることです。漢字力は、地道にコツコツと勉強して体得するしか方法はありません。そうした経験を積んでやっと掴んだ合格ですので、強い達成感を得られるのでしょう。
　生徒の中には、頑張ればできるという経験を今までしたことがないため、挑戦する前にあきらめてしまう生徒もいます。しかし、そうした生徒も実際に目標を定めて取り組み、その成果を実感することで、「自分も頑張ればできるんだ！」という自信を持つことができます。自分自身の頑張りで合格を勝ち取った生徒を見て、いつも心から褒めてあげたいと思います。
　また、就職対策としても効果があると考えています。本校は就職する生徒が半数程度います。しかし、部活動で実績を残したり、専門的な資格を取得したりする生徒以外は、「履歴書にアピールできるポイントを書くことができない」と悩んでしまいます。そのような生徒にとって、漢検取得級が履歴書に書けるということは、非常に大きなポイントです。就職する生徒だけでなく、進学する生徒に対しても「漢検は日々コツコツ努力した経験とその能力を証明することができるよ！」と伝えています。自分たちの将来に直接関わってくることですので、生徒たちも真剣に受取っています。
　そして、1つの目標にむかって、短期間に集中して取り組むという経験は、生徒だけでなく、学校全体にとっても活気を生み出すよいきっかけになっていると感じています。

●平成23年度成績優秀者表彰　奨励賞　受賞団体●

※掲載内容（所属団体、役職名等）は取材時のものです。

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