団体受検 取組事例(小・中・高 等)
高校
「社会で生き抜く力」をもった生徒の育成に向けて/高校/三重
中部 / 三重
[公立] 三重県立稲生高等学校
中谷 友紀 先生
■「社会で生き抜く力」をもった生徒を育成するために
社会生活においては様々な人とコミュニケーションを取りながら仕事を進める場面が数多くあります。今後科学技術の発展等社会が変わったとしても、漢字・語彙と日常的に使用することに変わりありません。そのため、本校では社会に出てからも活躍できる生徒を育てるべく、学校を挙げて国語教育に注力しています。
■学習習慣、基礎学力の基盤を身につけるための漢検実施
漢検は「学習習慣を身につけるため」「基礎学力の基盤となる漢字・語彙力を身につけるため」に実施しています。本校の生徒は様々なバックグラウンドを持っており、学習習慣が定着していない生徒や漢字・語彙の学習に苦手意識を持つ生徒が入学時に一定数見受けられます。また、生徒の8割以上が就職を希望します。そのため在学時に「学習習慣」を身につけながら、「基礎学力の基盤となる漢字・語彙力」を定着させることが非常に大切です。このような背景の下で一人ひとりが「合格」という目標に向かって学習することができる漢検の取り組みは、学習習慣を身につけながら漢字・語彙力を定着させるための手段として適しています。
本校では希望者を募った受検回と別途2年生の全員受検回を設定しています。全員受検は第3回検定に実施しています。対象学年を2年生とした理由は、3年生に入ると就職活動の準備で忙しくなってしまうためです。
■学習のモチベーションを維持し続けるために声掛けを工夫
漢検の学習方法として国語の授業冒頭5分間を使って小テストを定期的に行っています。定期的に小テストを行う理由は、生徒が漢字に触れる機会を増やすことが漢字・語彙力の定着に向けて大切だからです。総合的な学習の時間やロングホームルームの時間でも漢字の自主学習を生徒に促しています。
学習のモチベーションを維持しながら漢検に取り組ませるために、受検前には学年集会や国語科の授業内で教員から「漢検を一度取得していると、一生ものの資格として履歴書の資格欄に書けるよ!」や「3年生になる前に漢字を正しく書けるようになっていると、履歴書を書くときや就職試験で有利になるよ!」と声掛けをしています。生徒には「今後社会でICTが急速に進化していっても、社会人として様々な場面で一字一字丁寧に正しく漢字を書ける力が大切になる」ということを日常的に伝えています。
受検後には教員間で各生徒の受検結果を共有しています。合格した生徒には「この調子で次の級に向けて頑張ろう!」や、不合格になった生徒には「○○の分野をもう少し対策したら合格できるよ!」と教員から生徒一人ひとりに声を掛けています。このように受検前だけでなく受検後も声掛けを行うことで、学習のモチベーションを維持させています。
■実施目的達成促進のために団体サポートサイト《学校向けマイページ》を活用
団体サポートサイト《学校向けマイページ》(以下:《学校向けマイページ》)は学校個別の漢検取組情報を蓄積して教員に共有するため、今年度より活用を始めました。教員間で共通認識を持つことは、実施目的である「学習習慣をつけること」「基礎学力の基盤となる漢字・語彙力を身につけること」を更に促進するために大切です。
《学校向けマイページ》を利用するにあたり、まず現在の漢検実施の目的・目標や学校の課題を入力しました。入力の際には《学校向けマイページ》に予め用意されていたテンプレートの内容を参考にしました。《学校向けマイページ》にはテンプレートが複数用意されていたため、その中でも本校の目的や考えに近しい内容を選んで簡単に入力することができました。
この後に控える第3回の全員受検では、漢検実施に関する認識を教員間で一にして取り組めるように《学校向けマイページ》を活用していく予定です。《学校向けマイページ》では漢検担当の教員以外もアカウントを発行して閲覧できるので、まずは他の教員分のアカウントを作り、漢検実施の目的・目標を浸透させます。その他にも《学校向けマイページ》では問題・答案用紙、結果資料の配送情報や過去に協会へ発注した資材の履歴も参照できるため、教員間でいつでも漢検の状況を確認できるようにしていきます。このように《学校向けマイページ》は教員側の手間削減につながる機能が多く、とても便利だと感じます。
■団体サポートサイト《学校向けマイページ》で学習を継続的に支援する仕組みを作る
『「学習習慣」や「基礎学力の基盤となる漢字・語彙力」を身につけ「社会で生き抜く力」をもった生徒』、『社会人になってから出会う様々な場面で一字一字丁寧に正しく文字を書ける生徒』を育成するために今後も漢検の取り組みを継続していきます。漢検を効果的に活用し続けるためには教員の異動があってもスムーズに漢検の取り組みを引き継げる仕組みを作ることが非常に大切です。本校は従来紙のメモで漢検の引き継ぎを行っていましたが、先述の《学校向けマイページ》では引継資料を簡単に作成できる機能があるので、《学校向けマイページ》を活用してスムーズに引き継げる体制を作っていきます。このように稲生高等学校における漢検の取り組みを、《学校向けマイページ》を活用しながら推進していくことで、「学習習慣」や「基礎学力の基盤となる漢字・語彙力」を身につけた生徒を更に増やしていきます。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。