団体受検 取組事例(小・中・高 等)
高校
社会で求められる「基礎学力」を生徒全員に身につけさせる/高校/静岡
中部 / 静岡
[私立] 浜松開誠館中学・高等学校
校長 三浦 宏之 先生
本校は、「高い知性と豊かな感性を身につけ、広く国際的な視野に立って、自主自立の精神とまごころをもって人類社会の発展に貢献できる健全な社会人の育成」を教育方針に掲げています。社会の一員として活躍するためには、読み書きそろばんといった「基礎学力」は欠かすことができません。自信をもって生徒を社会に送り出すべく、「基礎学力」をしっかりと身につけさせる教育に努めています。
漢字検定も、この「基礎学力」の習得を目的に取り組んでいます。学力や進路希望に関係なく、本校を卒業する生徒には、正しく漢字を書く力を身につけさせたいと考えています。そのためにも、日頃からクラス担任や国語の教員が、生徒に漢字の力の必要性や大切さについて語りかけています。以前は国語科が作成した漢字テストを実施し、クラス対抗で平均点を競って漢字学習に取り組んでいました。平成5年からは、社会で通用する資格取得も兼ね、全校を挙げて漢字検定に取り組んでいます。
中等部では、日頃の漢字学習の成果を試す場として、生徒全員が受検します。生徒にとっては級に挑戦することが学習の励みとなっています。本校では、中学1年生から論語の素読など、元気いっぱいに音読して身体で漢字に親しむことに取り組んでいます。漢字検定も同様に、まずは「楽しんで」身につけることが大切だと考えています。
高等部でも、進学や就職に向けた資格取得を目的として、年1回は全員が受検します。特に、短大・専門学校への進学や就職をめざす「総合コース」では、「基礎学力」の養成のために、週1回、漢字学習や計算ドリルを行ったり、新聞のコラムをまとめたりする授業を行っています。その授業の成果測定として、総合コースの生徒は年2回、漢字検定を受検します。
漢字検定がきっかけとなり、漢字力向上以外の効果も得られるようになりました。普段はクラスの中で目立たない生徒が、上位級を取ることで注目を浴びるようになったのです。そのことで「もっと頑張ろう!」という意欲が本人にも芽生え、様々なことに積極的に取り組むようになりました。そのような生徒の頑張りが、さらに周囲にも良い影響を与えています。
また、漢字検定前には模擬問題を利用するなどして、受検本番に向けた意識付けを行います。模擬試験の結果から、現状のままでは合格に届かないと認識した生徒は、友達同士で刺激し合いながら切磋琢磨して勉強している様子も多く見られます。たとえ不合格となっても「次こそは必ず合格する!」と意欲的に取り組む姿勢が育まれていると感じます。
学校紹介
校長:三浦 宏之 生徒数:1075名
本校は、大正13(1924)年に、「誠心・敬愛」を校訓として掲げ、知育に偏らず和やかな家庭的雰囲気の中で子女のための真の人間教育を目指して創立されました。男女等しく人格を認め合い、共存する社会への移り変わりにより、平成10年に誠心中学校・高等学校から、浜松開誠館中学校・高等学校と校名を変更し、男女共学校として新しくスタートしました。浜松市の文教地区に位置する地上9階建ての都市型キャンパスで、中学生・高校生がのびのびと学んでいます。部活動も盛んで、全国レベルの部活を有し、プロスポーツ選手も輩出してきました。多様化する進路希望に対応する体制を整え、一人ひとりの自己実現を図り、まじめに社会に貢献できる人づくりを目指しています。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。