団体受検 取組事例(小・中・高 等)
高校
社会で通用する漢字力の育成/高校/岐阜
中部 / 岐阜
[公立] 岐阜県立山県高等学校
国語科 百瀬 明子 先生
本校では、校訓『自主積極』の精神のもと、「基礎学力の定着」「部活動の充実」「さわやかな挨拶の励行」「環境美化の推進」と4つの実践項目を掲げています。当たり前のことが普通にでき、将来の地域を担う人材を育成するため、生徒一人ひとりに真正面から向き合っています。
その教育のひとつに漢検を導入し、全校で取り組んでいます。その目的は主に次の4つです。
1つ目は、社会に出ても恥ずかしくない、漢字力を養うことです。本校では、半分近くの生徒が就職を希望することもあり、一般社会への旅立ちは目の前にあります。社会に出てからは教えてもらうことのできない漢字力を、在学中にしっかり身につけてほしいと考えています。
2つ目は、丁寧な字を書くことの習慣化です。他人が読むことを常に意識すること、手書きの文字そのものが自身の人柄を表すこと、そのことが履歴書作成等にも大いに役立つことを、採点されることへの意識付けを通じて身につけてほしいと考えています。
3つ目は、成功体験を積むことです。生徒一人ひとりが自分のレベルにあったチャレンジから合格をつかみ取ることで、何事にも積極的に取り組む姿勢を持ってほしいと考えています。
そして4つ目は、資格取得の奨励です。特に普通科の生徒には専門科目等の資格がなく、漢検・英検が唯一の資格と言っても過言ではありません。進学や就職を迎えるにあたり、自身の成果をしっかりと履歴書に書けること、その目的意識を持って取り組むことも重要な要素と考えています。
また、本校では学年ごとに一斉に受検する機会を設けています。全体で取り組むことにより、以前は漢字が書けなくてもあまり気に掛けなかった生徒でも、書けない漢字があると、「習ったのに覚えていなくて悔しい」や「あと○○点で合格なのに」と、お互いに意識し、励ましあうようになりました。次にチャレンジする意欲にもつながっています。
生徒への漢字指導は、入学から一貫して小テストを毎週行っています。この小テストの作成には、協会発行の『漢検 漢字学習トレーニング』を活用しています。その後、過去問題による受検級決定の模擬テストを行い、検定1・2ヶ月前からは、毎週1時間、国語の時間を漢字学習とし、生徒一人ひとりの状況に合わせた個別指導を行います。このように、本校では何よりも日々の授業を大切にし、確実に学力を身につけられるよう、きめ細かな指導を粘り強く実践しています。
学校紹介
山県高校は、全日制課程の普通科高校です。1学年は4クラス(うち2クラスは情報コース)、全校で12クラスです。校訓「自主積極」のもと、地域社会人の育成のために、「自立力」、「共生力」、「自己実現力」を身につける教育を進めています。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。