団体受検 取組事例(小・中・高 等)
高校
年間を通じて資格検定を活用し、学習にメリハリをつけています/高校/愛知
中部 / 愛知
[私立] 名古屋国際中学校・高等学校
教頭 小林 格 先生 | 国語科 杉尾 志帆 先生
写真1:学校の様子
漢検の校内実施を始めてから10年近くになります。春・秋・冬の年3回実施しており、秋は中学生全員の受検を義務付けています(高校生は希望者受検)。春は年度初めで準備や対策が不十分になる可能性もありますので、秋に全員に受けさせています。ただ、昨今は学年始めから積極的に参加しようとする姿勢も見受けられ、春の受検者数も増えてきました。中学生には、学習指導要領の範囲を考慮し、1年生で5級、2年生で4級、3年生で3級という到達目標を提示しています。
中高一貫コースの生徒には高校受験の機会がありませんので、緊張感を持って試験に臨み、挫折(失敗)を乗り越えて成功体験を積むという経験は貴重です。こういう体験を持たないまま大学入試を迎えると、必要以上に恐怖心を抱いたり、過剰な依存心を持ってしまったりするからです。TOEIC Bridgeや漢検、数検などの検定は、知名度がある外部試験ですので、学習にメリハリをつけると同時に貴重な体験の機会になると考え、全員に受検を義務付けています(漢検・数検は中学生全員、TOEIC Bridge・TOEICは中高生全員)。
校内で実施している3つの資格検定で年間11日程あり、校外参加の他検定と合わせると28日程ありますので、保護者や生徒が計画的に準備できるように、年間計画を年度当初に知らせています。学校ホームページの「年間行事予定」に校内実施検定の予定を明記していますし、全家庭に配布する「資格検定一覧」では、校外参加のものも含めて、試験日・校内受付期間・団体公式締切・検定料・全員か希望者か、などを明示しています。これにより、「自分が必ず受けなければならない検定は、どの検定でいつか?」「希望で受けられる検定は、どの検定でいつか?」「校内で受けられる検定はどれか?」ということが一目瞭然ですので、受検計画や対策・準備が進めやすくなっていると思います。各検定の各回の案内は教科主任がプリントを作成して学級担任から全生徒に配布しています。漢検については国語科で用意し配布していますが、今後は協会から送られてくる受検案内も全員に配布し、検定への理解促進をさらに図っていきたいと考えています。
日常の漢字指導は、漢検の級に対応した漢字テキスト(副教材)を活用しています。また、漢検の検定日の2~3週間前からは、過去問題を2回程度解かせ、問題形式に慣れさせるとともに、受検に向けての仕上げ学習の動機付けを行っています。
写真2:大きな吹き抜けの
キャンパス空間
結果は学級担任から返却していますが、中学生で高校生対象級である漢検2級・準2級に合格した生徒には、始業式や終業式で表彰しています。この時、協会の「表彰支援制度」を活用することもあり、協会から送られてくる盾や賞状は、生徒の励みになっているようです。
様々な資格検定を多くの日程で校内実施することは、学校として一定の労力が必要ですが、「生徒に慣れた環境で力試しをさせ、学習にメリハリをつけさせる」という点と、「公開会場に子どもを連れていく保護者の負担を減らす」という点から、今後も積極的に継続していきたいと考えています。
※TOEIC Bridge、TOEICは、ETSの登録商標です。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。