団体受検 取組事例(小・中・高 等)
高校
保護者とのコミュニケーションを密にし、継続的に検定を実施しています/高校/愛知
中部 / 愛知
[公立] 愛知県立犬山南高等学校
国語科 水野 奈美 先生
漢検の校内実施を始めてから5年ほどになります。校内で検定を実施しているのは、漢検や英検など知名度が高い検定は、生徒の進路上役に立つものだからです。漢検は基本的に春・秋・冬の年3回実施しています。準2級や2級になると難易度が増し、1回の挑戦で合格するとは限らないので、年3回の挑戦の機会を作っているのです。
本校では、保護者とのコミュニケーションを密にし、生徒の指導や支援を家庭と一体となって行うことを目的に、保護者メールを導入しています。これは、「学校行事に関する案内」「緊急連絡」はもちろん「成績票配付の案内」などを、登録されている保護者の携帯電話にメールで連絡するというものです。保護者がいつも自宅に居るわけではありませんし、携帯電話に常に出られるとは限りませんので、電話連絡はお互いに不便です。その点、メールでの連絡は、見られる時に見てもらえるということでストレスが少なく、多くの保護者から支持をいただいています。また、配布物や連絡事項が多い時などは、保護者に相談することをうっかり忘れてしまう生徒も出てしまいますので、そういったことの防止にも役立っていると思います。
漢検や英検などの検定の案内は、従来プリントや教室掲示などで行ってきました。今年度からはそれに加え、検定に関する案内も、この保護者メールで送付するようにしました。「検定実施日時」「申込受付日時」などの事務連絡はもちろんですが、「進学でも就職でも役立つ検定資格」「履歴書の資格欄に書ける検定資格」といった生徒が検定を受けるメリットも同時に案内し、保護者の理解を深めるようにしています。「タイムリーに案内や連絡をもらえて助かります。今回子どもに受検させます。」といった声が寄せられることもあります。今春の漢検受検者数は昨年の春よりも増え、メールの効果を感じています。
「何級を目指したらいいでしょうか?」という生徒の問いには、「簡単ではないけれど、2級を目指してみては。」と指導しています。2級は常用漢字全ての活用力を証明するもので、大学入試や就職で評価されることも多く、社会生活を送る上で常用漢字の活用力は必須だからです。2級は難易度が高いので、1回で合格する生徒ばかりではありませんが、中には、2年生で初挑戦し、一発合格というような生徒も出てきています。また、検定対策を学校で行うことはありませんが、「どうやって準備したらいいでしょうか?」という生徒には、「過去問題を繰り返しやっておくといいよ。」と助言しています。
春・秋・冬の各回検定の申し込みは、指定日(2日間)の昼休みに指定した教室で受け付けています。この時、検定料だけを持ってこさせ、申込用紙はその場で記入させるようにしています。記入済みの申込用紙と検定料を同時に持ってこさせるという方法もありますが、初めて受検する生徒や久しぶりに受検する生徒は、不慣れなため戸惑い、記入漏れや記入間違いをしやすいからです。その場で助言しながら記入させればミスは起こりませんので、生徒も安心して申し込めるということです。
写真:学校の様子
比較的多くの生徒が受検する回も、また、少ない回もありますが、「挑戦したい」「進路上のメリットを獲得したい」と思っている生徒に対しては、継続的に機会を提供したいと考えています。今後も、保護者メールの活用などを通じて保護者と密にコミュニケーションをとりながら、検定の有効な活用を継続していきたいと思います。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。