団体受検 取組事例(小・中・高 等)
高校
1年生は3学期に、2年生は2学期に、3年生は1学期に 全員が受検/高校/愛知
中部 / 愛知
[私立] 杜若高等学校
国語科 廣藤 浩 先生
写真1:漢字小テストの様子
校内での漢検実施を始めてから20年近くになります。以前は希望者制で個々に受検させていたときもありましたが、現在は全生徒の漢字力向上を目的として、学校行事で実施しています。本校では毎週1回、独自の漢字小テストを実施していますが、ただ漢字を反復学習するように指導してもなかなか漢字力は向上しません。そこで、漢検合格という共通の「漢字学習の目標」を全員に持たせ、さらに学期ごとに受検する学年を明確にしてモチベーションを高めています。資格取得という面もありますが、合格すれば「賞状」が貰えるということも、生徒の励みになっているようです。年間行事予定表にも、毎年3回の漢検実施日を明記しているため、行事としてすっかり定着しています。3年間を見据えて取り組もうとする生徒が増えてきていることもあり、次年度の予定を聞かれることもあります。
1年生には学年のまとめとして3学期に受検させ、2年生には中だるみを防ぐ中間目標として2学期に、3年生には進路(進学・就職)対策として1学期に受検させています。3年生で大学受験を目指す生徒には、「準2級か2級を目指そう」と助言しています。センター入試の漢字問題では、2級レベルの問題が出題されていますし、推薦入試などでも一定の評価が得られるからです。また、就職を考えている生徒には「3級以上を目指そう」と助言しています。基本的な漢字力を身に付けているという点が企業から評価されるからです。
全員に受検させる上で気を付けているのは、個々の力に合わせてどの級を受けるべきかを助言し、学習の方法を示すことです。学年ごとの級のガイドラインを示すだけでは、実力に見合っていない級を受検することになり、自信の喪失を招いたり、過剰な自信を持ってしまったりという危惧がありますので、国語や総合学習の授業時間を使い、過去問題を解かせながら、各自にふさわしい受検級を助言するように心がけています。また、図書館には協会が発行する『漢字学習ステップ』を各級10冊程度そろえ、生徒がいつでも活用できるようにしています。
写真2:クラス表彰を受けた生徒たち
一生懸命学習し合格を手にした生徒やクラスへの賞賛も大切だと考えています。まず、準2級や2級に合格した生徒の氏名を年3回発行している学校だより(杜若だより)に掲載し、合格を称えています。また、各回で最上位級を受検し最高得点であった生徒個人、および合格率が最も高かったクラスには、協会の表彰支援制度を活用して全校朝礼で表彰状と副賞を授与しています。
このように学校をあげて20年近く取り組んできている漢検ですが、今後の課題は生徒の合格率をさらに高めていくことだと考えています。漢字力は生徒が今後どのような領域を学ぶにも、どのような分野で仕事をする上でも必須です。今後も指導や助言を工夫しながら推進していきたいと考えています。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。