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高校

きちんとした方法で毎日勉強すれば必ず受かる/高校/愛知

国語科 近藤 浩昭 先生

中部 / 愛知

[私立] 桜花学園高等学校

国語科 近藤 浩昭 先生

 本校は、「心豊かで気品に富み洗練された近代女性」の育成を建学の精神に掲げ、「感謝・規律・努力・奉仕」の四訓の実践を心がけています。
 努力して学力を向上させ、進路希望を実現させようという方針のもとで、漢字検定・英語検定・数学検定を奨励しています。取り組みの歴史としては英検が一番古いものですが、近年は漢検も英検に迫る勢いで盛んになってきました。
 漢検は自学自習しやすく、努力すればその分だけ数字に表れるということが生徒にとって身近に感じられるのではないでしょうか。

1.推薦基準に漢検を入れる

 同一学園である桜花学園大学保育学部や名古屋短期大学保育科への学園内推薦の基準の一つとして、漢検・英検ともに資格を取ることと定めています。保育現場で保護者への連絡帳を書く際に漢字がわからなかったり、間違っていたりすることは、保育者として恥ずかしいことです。最低でも準2級、できれば2級の力は持っていてほしいと願っています。
 また、他大学や短大の推薦やAO入試の自己PRにおいても、取得資格の欄に何も書くことがないのでは勝負できません。資格欄を書く時になって途方にくれることのない生徒を育てたいと思います。準2級・2級資格をAO入試・推薦入試で点数加算・合否判定考慮をしているところがたくさんありますので、生徒たちの進路選択の幅を広げる一助となっています。
 さらに、就職の際にも漢検資格は有効であると聞きます。高校卒業後にも受検チャンスはありますが、やはり高校時代に一つでも上の級を取っておけば余裕があることは間違いありません。

2.検定対策

 国語科はもちろん、学年・コース・クラスがそれぞれ工夫して取り組んでいます。例えば、保育者を目指す生徒が集まった3年保育コースでは準2級の取得を目指して、週2回授業後に「漢字検定対策講座」と称して生徒に自学自習させています。
 他の実践例として、検定の2か月ほど前から「漢字検定対策プリント」を週末に配って、時には提出させて勉強させているというものがあります。また週1回の漢字テストの実施や、次に述べる漢字コンテストの実施も検定対策の一環となっています。
 学習方法としては、わからない問題に出会った時、すぐに答えを見るのではなく、まず辞書を引いて調べるように言い聞かせています。とは言っても辞書を引くのを面倒がる生徒がいるのが現状で、ここを乗り越えればさらに合格者数も増えると思います。辞書引き学習で有名な、京都の立命館小学校の実践は参考になります。
 「きちんとした時間を取ってきちんとした方法で勉強すれば必ず受かる」というのが私の持論です。

3.漢字コンテスト

 毎年2月に1年生・2年生を対象に「漢字コンテスト」を実施しています。学校が作成したプリント10枚(漢検3級・準2級・2級レベルのプリント)からの出題が中心です。100点満点で行い、各学年上位者5名程度を表彰します。文章を書く姿勢という観点から「とめ・はね」などもチェックします。上位生徒は95点程度のレベルでの勝負となります。

4.3年間の成長をチェックする

 「成長の足跡」というものを作っています。「学習の記録」と呼ばれる学習日記の最後のページに、漢検と英検の点数や結果を記入する欄があります。第何回検定は何級を受けて何点取って合否結果はどうだったかを記入します。1年間の成長を目で見ることができます。
 また、これは試行錯誤の段階ですが「漢検エンマ帳」なるものを作成中です。クラス別一覧表にして、各クラスの生徒それぞれの回の受検結果を記入し、生徒の成長をチェックします。これがあると、担任が受検アドバイスをするときに「前回はマイナス何点だったから次は合格できるはずだ。がんばろう。」といったように指導が具体的になります。個人的には、エンマ帳に検定結果を手で記入していくことを面白く感じています。同僚からは「人間エクセル」とからかわれます。これは余談・・・
 保護者および生徒はそれなりに費用と時間を使って受けるわけですから、「受けなさい」「がんばりなさい」だけではいけません。どうすれば受かるかという具体的なサポートが大切です。

5.表彰制度

 校内での表彰制度として、「回賞」制度というものがあります。漢検や英検の2級に合格すれば、それぞれ「1回賞」が与えられます。他にも1か年皆勤や作品コンクール入賞なども回賞としてポイントが加算されていきます。
 真面目に努力して結果を出した生徒をたたえ、さらなる向上の励みとしています。その一翼を漢検が担っていると言えます。卒業までの3年間で「10回賞」を取る生徒もいます。

6.正しい努力の方法を知っている生徒

 結果論ですが、漢検・英検ともに2級を取得している生徒はいわゆる難関大学にも多く合格しています。2級のレベルになれば、丸暗記だけでは対応できません。前述した「きちんと時間を取ってきちんとした方法で勉強すること」が必要です。これは漢字の学習のみならず、他の教科の学習についても言えることです。
 正しい努力の方法を知っている生徒は大学受験でも強みを発揮します。さらに言えば、就職の時、就職してからも、努力の価値を知っている者は強いと言えます。
 カッコいいことばかり述べてきましたが、本校の実践はまだ完成しているわけではありません。辞書を引く習慣を定着させ、2級合格者をさらに増やしていけるように、日々努力を重ねていきたいと思います。


※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。

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