大学・企業の漢検取組事例
大学・短期大学・専門学校
言語活動がエンジニアの仕事の中心
関東 / 東京
[大学] 慶應義塾大学理工学部
山崎 信寿 教授
理工系の学生は専門分野の内容を相手にわかりやすく伝えられるようになることが大変重要です。どんなに優れた研究でも、理解されなければ役に立ちませんし、どんなアイディアも企画書が通らなければ実現の可能性すらありません。また、取扱説明書のようなかみ砕いた文章から特許申請書類のような厳密で妥協のない文章まで、様々な文章作成にも関わります。これらの作文能力の根底には、相手の話を理解する能力や膨大な情報から必要な知識を効率よく吸収する能力があります。このように、エンジニアにとって言語活動は避けて通れないばかりか、それが仕事の中心にすらなっています。
このため、慶應義塾大学理工学部では学生の日本語による思考と表現能力の向上を目的とした「総合教育セミナー」という少人数科目を開講しています。自分で選んだテーマについて、他者に伝える努力を重ねることで、「相手が誤解しにくい形式や言葉を選択する力」と「内容を簡潔に論理的に構造化する力」を学んでいきます。
大学生になるまでには、まずは本をたくさん読み、少なくとも相手の話や文章を理解できる日本語能力を身につけておいて欲しいと思います。本は時空を超えた仮想体験を提供します。自分の行動だけでは得られないこの豊富な体験が、相手を理解する想像力を養い、エンジニアの創造力を生み出す基になるのだと思っています。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。