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大学・企業の漢検取組事例

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楽しみながら学び続ける会社をめざして

奥社長並びに部門長の皆様

近畿 / 大阪

[企業] 株式会社 坂井印刷所

奥社長並びに部門長の皆様

(1)学び続ける社風の醸成

 明治34年(1901年)に創業し、100年以上の歴史を有する弊社は、「技術と信用」を社訓に印刷を通じて社会に貢献することを事業の使命としています。
 近年、目ざましく進展する印刷業界の中にあって、弊社でも常に次代のニーズを読みとり、お得意さまの期待に応えるべく、品質の維持向上に努めています。そのために、常日頃から従業員一人ひとりが勉強する風土を作り、「楽しみながら学び続ける会社」をめざしています。
 その一環として、以前から印刷技能士検定やカラーコーディネーター検定など、各種資格検定に積極的に取り組んでまいりました。その過程において、従業員が互いに切磋琢磨して勉強に励む姿勢を養うことができました。この経験を通して、「検定」という仕組みは人材育成に効果があると感じるようになりました。

(2)漢字検定導入の目的

 漢字は社会生活を営む上で情報を伝達する重要な手段のひとつであり、特に印刷業において漢字の知識は必要不可欠です。一方で、パソコンや携帯電話などの普及により、手書きをして漢字を学び、親しむ機会が少なくなってきています。そこで、従業員が楽しみながら勉強出来る漢字検定を推奨し、「検定」という仕組みを活用して人材の育成をはかることにしました。

(3)具体的な取り組み内容

 全社的な取り組みとして、平成22年度第2回検定(10月下旬)から弊社を準会場とした団体受検を開始しました。ところが、この時期は繁忙期にあたり、業務外の漢字検定を新たに導入することに対して「学習時間を確保できるのか」といった懸念の声も多少ありました。しかし、部門長が率先して取り組むことによって、部下や他の従業員も刺激を受け、好影響を与えたようです。
 具体的な取り組み内容について、基本的には受検者個人がそれぞれの能力に見合った級を選択して受検します。但し、目標級の目安として部門長は2級以上、管理職は3級以上を定めています。また、検定料については、初回受検級の検定料はすべて社費負担とし、同級2回目以降の受検からは自費負担としています。

写真1:受検風景
写真2:受検風景

(4)漢字検定の受検を通して得られた効果

1. 個人の観点
 日常会話の中で四字熟語などが自然と出てきたり、字や文章を書く際に辞書や辞典で細かく確認したりするようになりました。その結果、自らの意見を正確に表現できるようになるとともに、相手の意図する内容を迅速にくむことができるようになり、社内の意思疎通の促進につながっています。
 また、家庭で勉強に励む従業員の中には、親の真剣な姿に子どもが感化され、親子のコミュニケーションのきっかけになるといった効果も見受けられました。

2. 組織の観点
 全社を挙げて取り組むことによって、部門や世代の垣根を越えて漢字が共通の話題にのぼるようになり、今まであまり接触がなかった従業員同士の交流が生まれました。漢字検定を導入した結果、垣根を越えた結び付きがより強固になり、連帯感が高まったことは、会社にとって非常に大きな成果だと思います。

(5)将来を担う若い人へのメッセージ

 まずは「基礎基本」を備えていることが肝要です。ここでいう「基礎基本」とは、国語(とりわけ漢字)をきちんと理解し活用できること、文化に対する畏敬の念を持っていることです。若い時分から様々な知識を吸収し、教養を高めてほしいと願っています。


※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。


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