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「人生」を表す漢字

代表取締役 高橋 厚人 様

関東 / 東京

[企業] 株式会社 ジュディ・プレス

代表取締役 高橋 厚人 様

自分史・家族史を紡ぐ

 当社は、「自分史」・「家族史」の編集制作を行っています。親から子、子から孫へと大切な一冊を紡ぎ残すというお手伝いをしています。近年そういったニーズは増しており多くの依頼を受けるようになっています。
 この仕事に携わっていますと、人の「人生」とその方のことを語る時によく耳にする「漢字」の繋がりや関連の深さに感じ入ることがしばしばあります。多くの場合、それぞれの方の言わば「生きざま」や「生活する上での信念・価値観」といったものが色濃く反映されているのが、「自分史・家族史」に頻出する「言葉」とくに「(表意文字としての)漢字」だからです。
 では、以下にその一例をご紹介しましょう。

生きること -お父さんが残してくれたもの- 4万字

 「一昨年に癌で亡くなった夫の生きざまを残す本を作りたい」という奥さまの依頼により先日完成した『生きること-お父さんが残してくれたもの-』という本があります。150ページにわたり、4万字を超える文字で構成されていますが、そのなかには「お父さん」の生きざまが息づいていました。
昭和24年山形の貧しい家庭に生まれた「お父さん」。5歳で養子に出され、養子に入った先の家の家業も破綻。苦労して育つが、一念発起して写真を学ぶために上京。のちに印刷会社に就職し、昭和50年以降の日本の出版印刷の発展を支えました。
 亡くなってから出てきた衣装ボックスの資料やたくさんの知人・同僚からの取材によって、家族を愛し、仲間を大切にし、仕事にひたむきに取り組んだ「お父さん」の姿が浮かび上がってきたのでした。

「お父さん」を表す漢字

 出来上がった本のなかで、頻出する漢字を数えてみますと、1位が「思」、2位は「言」、そして3位は「写真」でした。
 人を思いやり、家族をはじめ、たくさんの人たちにやさしい思い出と言葉を残した「お父さん」、写真をこよなく愛した「お父さん」の生きざまがそのまま、「漢字」の露出量と一致していたわけです。
 私達がある人を表現しようとする時、思い浮かぶ「漢字」はそれぞれとは思いますが、意外に傾向は一致してくるものです。そういった時に様々な語彙や漢字をもとにちょっとしたニュアンスの違いも表現できると素敵ではないでしょうか。職場や学校などでお世話になった方や友人を送りだすような時、「その人を表す漢字」を一人ひとりが贈る、というのも粋な送別の辞かもしれません。

5000枚の写真

 余談ですが、「お父さん」が残した写真は5,000枚を超えていました。そして、写真の整理を手伝ってくれた同窓で写真を学んだ方の言葉が、残された家族をとても勇気づけました。
 「写真はその場にいないと撮れないものなんだ。一枚一枚の写真は、彼がファインダー越しに覗いた風景をそのまま残したもの。今、私たちは時を超えて、お父さんが見た風景を見ているんだよ。」
 「思」「言」「写真」を生きざまとした「お父さん」の親友ならではの言葉ではないでしょうか。


※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。


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