大学・企業の漢検取組事例
企業
日本伝統の文字文化を大切に
関東 / 東京
[企業] 三省堂印刷株式会社
代表取締役社長 関田 敏之 氏
弊社の経営計画書にはコミュニケーションの大切さが繰り返し掲載されています。コミュニケーション能力は、「話す」「聴く」「書く」「伝える」が基本にあります。このため、文字の意味を理解し、使い分けを行っている日本伝統の文字文化をもっと大切にすべきと考えております。
近年、携帯電話のメールを使ったコミュニケーションが盛んになり、絵文字での表現が多用されております。私も使っておりますが、コミュニケーションのツールとして楽しい反面、文字文化が失われつつあるのではないかと思います。パソコンや携帯電話の使用で、変換ミスが多くなっていることも問題でしょう。
文字情報加工を生業としている弊社としては、文字を書くことをより大切にすべきと考え、2002年より対象者全員の検定料を全額会社が負担し、漢字検定に取り組んでおります。社員教育の一環としておりますが、社員だけではなく、アルバイトや家族も対象としております。また、低めの級から順に挑戦すること、大人については社会人が修得すべき2級への合格を目標にすることを勧めています。
検定日にはまず工場見学をしてもらいます。社員が家族を連れて自分の工場を案内する光景を見ていると、家族の会話も弾んでおり、仕事への理解も得られているようです。その後検定会場に用意した軽食を食べながら、各自最後の検定前の確認を行います。検定に取り組む各人の表情は真剣そのもの。検定終了後には、家族でテスト内容を語り合う微笑ましい光景を目にします。
現在は受検対象者の枠を広げ、取引先のご担当者様もお誘いしています。工場見学をしていただき、検定を受けていただいた後、反省会にて懇親を深めることもでき、仕事もスムーズになりました。
弊社にとって漢字検定への取り組みは、このように様々な効果をもたらしています。今後も続けて取り組んでいきたいと考えております。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。