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日本語能力の向上=思考力の向上。 子供達に読み・書きを学ばせるのは、大人の役割です。

代表取締役社長 鈴木 一行 氏

関東 / 東京

[企業] 株式会社 大修館書店

代表取締役社長 鈴木 一行 氏

 当社は「後世に残る良書の出版」という経営理念のもと、あまり利益の期待できない書籍でも、敢えて出版に踏み切る場合があります。当社が考える「良書」とは「読み手の未来に寄与する書物」、仮に、今すぐ役には立たなくても将来必ずプラスとなる書物を指します。子供達には多くの「良書」に触れて欲しいと願っていますが、彼らが自分自身でそれを判別することは難しいと思います。「良書」との出会いは、大人(教員・保護者 等)が意図的に機会提供するものだと思います。
 現代の子供達の日常は、学校や家庭などの限られた空間で、気心の知れた相手との気軽な会話のみで成り立っているため、自分の言葉を磨く必要性はあまり感じないかもしれません。しかし、ひとたび社会に出れば、世代や生活環境の異なる人々との多様な対話がいやでも必要となります。さらに近年では、eメールの普及により、書き言葉による対話がその中心になっています。子供の頃から自分の言葉(特に書き言葉)を磨いておく必要があるのですが、そのことに子供自ら気付けというのは酷な話です。少なくとも日本語の読み・書き能力に関しては、強制的にでも学ばせることが、大人(教員・保護者 等)の役割ではないでしょうか。
 人は思考する時、必ず言葉を用います。つまり、言葉を磨き日本語能力を鍛えることは、思考力そのものの向上に繋がるのです。自分で考える力の無い人間は、他者の考えに踊らされてしまうことも少なくありません。他者に依存した生き方は、確かに当面のリスクを回避できますが、同時に将来のチャンスの芽も摘まれてしまうことになるのです。ぜひ、日本語能力を鍛え、思考力を向上させてください。


※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。


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