大学・企業の漢検取組事例
企業
アナウンサー新卒内定者に、漢検2級の取得を義務付けています。
関東 / 東京
[企業] 株式会社TBSテレビ
編成制作本部 編成局 アナウンス部 アナウンス部長 斎藤 薫 氏
当社では、かつて、海外経験や英語力を持ったアナウンサーが重用された時期もありました。しかし、実際の放送では、日本語を使って視聴者に伝える場面が圧倒的に多いのです。ですから当社のアナウンサーには、英語よりもまずは日本語を大切にして欲しいと思っています。
特に、日本語独特の漢字・ことわざ・慣用句の使い方をマスターすることが重要です。例えば、生放送中にニュース速報が入り、初見の原稿を即座にアナウンスすることも少なくありません。その場合、瞬時に原稿の文脈全体を把握し、同時に使われている語彙も見極める必要があります。たとえ殴り書きであっても、正しく読み取らなくてはなりません。そのためには、幅広い言葉の知識はもちろん、一定の常識や教養も問われます。
そこで、今年は、当社のアナウンサー新卒内定者には、入社前に3つの宿題を課しました。
① 読 書 → 推薦図書(古典から最近話題の本まで選択)の中から3冊を選び、読書感想文を書いて提出。
② 一般常識 → 一般常識問題集を全て解き、自己採点して提出。
③ 漢字検定 → 入社までに2級取得を義務付け。
また、入社した後も社員の国語力アップを図るシステムを導入しています。これは、アナウンサーに限らず、全社員がアクセスできるシステムですが、社員専用インフォメーションWebにて、間違い易い誤用例集(誤字、人名、地名など)を定期的に発行したり、国語力アップを目的としたオリジナル問題を配信するなどしています。
こういった施策は、新入社員はもちろん、既に社会に出ているあらゆるビジネスマン(とりわけマスコミ人)にとって、日本語力の向上と維持が重要な課題のひとつと考えているからです。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。