PROFILE平田 麻莉(ひらた まり)
慶應義塾大学総合政策学部在学中にPR会社ビルコムの創業期に参画。人材派遣企業や組織開発コンサルティング企業の広報経験を通じて企業と個人の関係性に対する関心を深める。2011年に慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了。
現在はフリーランスで広報や出版プロデュースなどを行う傍ら、2017年1月にプロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会設立。政策提言を始めとする6つのプロジェクト活動、フリーランス向けベネフィットプランの提供などを行い、新しい働き方の環境整備に情熱を注ぐ。政府検討会の委員・有識者経験多数。日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2020」受賞。
端的に“伝える”ための力とは
社会に出てから自分の学生時代のメールを見返す機会があったのですが、ただダラダラと長くて恥ずかしくなりました(笑)。
学生時代は時間もたっぷりある中で、お互いに関心がある事柄を話していたので、それでもコミュニケーションが成立していたんです。しかし、社会人は違います。相手との時間は限られていて、しかも相手が自分に関心をもっているかどうかもわからない状況で端的に伝えなければなりません。そのため社会人になって求められるのが、言いたいことを「削ぎ落とす力」です。
簡潔でわかりやすい文章はトレーニングで身につくスキルですが、ハッとさせられる良い文章には、独自の視点や言い回しがあります。文章力の精度を高めるポイントは、いかに相手の立場や状況をおもんばかることができるか。そういう想像力ではないかと私は思います。
縦から横の社会へ。共感でつながっていくために…
“個の時代”と言われ、日本もフリーランスで働く人や副業を持つ人が今後増えていくでしょう。オープンイノベーションによって、会社も組織の壁を取り払ってプロジェクトチームを組んだり、有志が集まって新しいことを立ち上げたりすることが多くなると思います。そうなると、上司と部下という縦のマネジメントは効かなくなり、横のマネジメントが必要になってきます。
横の関係性を結びつけるのは“共感”なので、フリーでも会社員でも、今後、共感を呼ぶマネジメント力がますます重要になっていくのではないでしょうか。例えば、自分が描いたビジョンやゴールは、相手とWIN-WINの関係を作ることができているか、文章を作成するうえでも意識すべき点です。
伝えるだけではない、相手に伝わったかが大切
私はSNSでもチャットでも、こちらの意図が相手に伝わったかどうかをあとで確認しています。もし「あの言葉は勘違いされたかな」と感じたら、すぐに訂正や補足をします。出したら出しっぱなしにしない。伝えたあとのことも気にかけることで、PDCA(Plan-Do-Check-Action)をスムーズに回し、仕事全体の効率につなげることができると考えています。