BJTの特徴のご紹介
各分野の専門家が作成した精度の高いテストです
BJTの開発にはビジネス関係者はもとより、日本語教育学、言語学、統計学などの専門家がテストの作成や得点の集計法などについて検討を加え、精度の高さを保つよう工夫を重ねています。
BJTが測定する能力の対象
BJTは日本語やビジネスの知識の有無だけを測るテストではありません。日本語の基礎的な知識があることを前提として、与えられた情報を適切に処理し、対応することのできる能力を、客観的に測定するテストです。そのため、日本語のビジネス環境で想定されるあらゆる場面が出題範囲となります。
日本語の文法や語彙、ビジネスの知識は前提知識として位置づけられ、情報処理能力やビジネス・スキルが主要な測定対象となっています。
3部構成の問題で総合的な力を測ります
合計で80問あり、約2時間(テストの説明、アンケートを含む)のテストです。大きく3つのパートで構成されています。
尺度得点で信頼性の高い結果が得られます
テストは四肢択一となっていますが、BJTの得点は正答1問につき1点といった素点で算出していません。解答の結果に統計処理(IRT項目応答理論)を施し、問題の難易度が反映される換算式を用いて、受験者の得点(スコア)を算出しています。これは「尺度得点」と呼ばれ、国際的に認められた精度の高い得点算出方法です。
複雑な情報処理になるほどスコアレベルは上がります
ビジネス場面にはさまざまなコミュニケーションがあります。例えば何かを指示されてそれを実行したり、ある説明を聞いて何かを判断したり、相手の出方を見ながら交渉したりなどです。ビジネス・コミュニケーションは、これら多種多様な情報処理を同時並行的に行うことで達成できます。この情報処理が複雑になるほど、高い日本語能力が求められます。例えば、スケジュール調整の会話を聞いて、会議の時間が何時かを答える問題は、情報を抽出するだけの簡単な情報処理になります。一方「情報の比較」になると、どこの会議室が空いているか、上司のスケジュールはどうなのかなど、いくつかの情報を特定するだけでなく、それを比較・対照しなくてはならないため、より複雑な処理になります。BJTでは、コミュニケーションを行う上で必要とされる情報処理が多く、難易度が高くなればなるほど、スコアレベルが高くなるよう設計されています。
横軸の課題に対して縦軸の情報処理を行いながら、評価や判断を加え、コミュニケーションを行っています。
日本語能力試験(JLPT)との比較
BJT受験者を対象にしたアンケート調査の結果から、N2合格者よりN1合格者の方がBJTにおいても平均スコアが高いことがわかり、一定の相関関係が認められました。しかし、N1合格者であっても、BJTスコアは300~700点と広く分布しており、ビジネス場面における日本語の運用能力には差があることが見てとれます。これは、基礎力があっても、実践力には差があるからだと言えます。BJTは、この実践力を測ることができるテストです。
第22~33回のBJT受験者のスコアと日本語能力試験取得級との関係
BJT受験者のスコア