どこから見ている?~「望む」と「臨む」の違い
ある場所を見るときに使う「のぞむ」には、「望」と「臨」の2通りの漢字があるぞ。
「望」は伸び上がって遠くの月を待ち望むさまからできた漢字だから、遠くのものを見るときに使うんだ。「臨」は人が物を見下ろす様子をあらわした漢字で、そこから「その場に身を置く」という意味が生まれ、「その場に」という意識の強さから「すぐ隣にある」ことをあらわすようになった。つまり、「望」と「臨」は、見る対象が遠いか近いかで使い分けるんだ。たとえば、同じ海が見える家でも海から遠くに建っている家なら「海を望む家」、海のすぐそばに建っている家なら「海に臨む家」となるんだよ。