「解ける」と「溶ける」――何がとける?
雪がとけると「水」になるか、「春」になるか、漢字をヒントに考えてみようか。
「解」は刃物で牛を切り分けること、つまり大きなかたまりを細かく分けることをあらわす字だ。そこから、「緊張状態がゆるむ」という意味にも使われるようになったんだ。「溶」は「お湯に砂糖を溶かす」など、固体が液体の中にとけて元の姿がなくなることや、温度が上がって固体が液体になることをあらわすよ。つまり、気温が上昇して雪が「溶ける」と水になるが、「解ける」を使うと冬の凍てついた状態から、春になってゆるむ気持ちが表現できるんだね。