その昔、インドに横暴な王様がいて、家来に油が入った鉢を持たせて、1滴でもこぼしたらその命を断つ、と命令したそうだ。その家来は細心の注意をはらって、無事、油をこぼさなかった、という話から、気をゆるめて注意を怠ることを「油断」というんだ。 比叡山の延暦寺には、最初にお寺を開いた最澄以来、1200年間、油をつぎ足しながら、灯しつづけられている火があるんだ。油が断たれると火が消えてしまう、まさに一瞬の油断も許されないことだね。