第12回 今、あなたに贈りたい漢字コンテスト大学生・一般部門 受賞作品
仕事と家事を終えてほっと一息。グラスに日本酒を注ぐと、いつもあなたはクンクンして「いい香り、早く私も飲みたい」と言う。母も二人で酌み交わす日が待ち遠しいよ。でも、美味しいお酒みたいにゆっくり大人になってね。健康に気をつけて待っているからね。
大湊 いずみ さん
大阪府・会社員
和やかな性格の人間になってと息子に、『和』と命名。東京の会社に就職した和から「会社辞めてプロの雀士になる」とメールが来た。大反対だったが、押し切ってプロ雀士になった。ならば覚悟を決めて、「和了=あがり」まくれと期待を込めて、再度「和」を贈る。
春野 洋治郎 さん
鹿児島県・フリーター
受賞者コメント
このたびは、名誉ある賞に選んで頂き誠にありがとうございます。
息子の名前を贈る漢字にしましたが、どこか面映ゆい気持ちです。
生まれてきた子どもに名前をつけるのは、親または親族が一家の一員として迎える大切なセレモニーです。期待や願望や愛を込め、これから歩んでゆく人生が安らかなれと祈ります。
そして、その日から何千回何万回と子の名を呼び続けることで、なにものにも変え難い家族の絆が育まれていくものと思います。
審査員からのコメント
協会賞、おめでとうございます。
「和」。なんとお読みになるのでしょうか?
いずれにせよ、お父さんは、優しく穏やかで、自然と人が集まって、常に人に囲まれているような魅力ある息子になってほしいと願って命名したのでしょうね。願いは叶いましたね。
友達やライバルに囲まれて、プロとして大好きな麻雀ができる。才能あってのことです。「ならば覚悟を決めて、和了=あがりまくれ」。お父さんの息子さんへの期待と愛を感じました。
息子さん、頑張れ!
山崎信夫
母校の小学校が少子化のため廃校することに。思い出すのはなぜか苦手な運動や恥ずかしいエピソードばかり。でもその日々の中に、大人に発達していく自分の発見があり、外の世界に出る自分の出発点がかくれている。廃れるばかりでない新発見がまだまだある。
児島 由希 さん
奈良県・会社員
受賞者コメント
この度は素晴らしい賞を頂き、ありがとうございます。
福祉事業所の職員をしており、利用者さんと一緒に毎年応募させていただいています。
HPの学習コンテンツも活用させていただきながら、自分の気持ちを表出する練習として取り組んでいます。
そんな取り組みの1メンバーとして、今回の受賞を大変嬉しく思います。
審査員からのコメント
審査員賞おめでとう御座います。
思い出の母校が少子化の影響で廃校になってしまう。想像するだけで寂しい気持ちになってしまいます。
運動が苦手だった1人の小学生の思い出は、その運動と恥ずかしい思い出の数々。だが廃れゆく小学校の面影の中に発見があったことも思い出した。
小学生の6年間で、少しずつ大人になっていく「発」を体験・経験しました。発達・発育・活発・反発・発言・発表・発芽などなど「発」には花咲くの意味もあります。
運動の苦手だった1人の小学生は時を経て、「廃」れる中に、新発見という花を開かせたのだ。
毎日が人生の出発点ですね。命
ゴルゴ松本
今日も娘の寝顔は、可愛い。0歳の時は息をしてるか心配で、一歳は、夜泣きで目が覚めた。二歳は、イヤイヤ期の娘の寝顔を見て反省した。三歳は、絵本を読みながら、四歳は、幼稚園の出来事を教えてくれた。あと何年、一緒に添い寝できるかな。少し寂しいな。
遠瀬 美奈子 さん
青森県・主婦
受賞者コメント
この度は、審査員賞という素敵な賞に選んで頂き、本当にありがとうごいます。
日々、子育てをしている中で、子供の小さな成長が、嬉しい毎日です。
しかし、それと同時に、少しだけ寂しい気持ちにもなります。この気持ちは、自分自身が親になり、初めて気づく気持ちでした。
近い将来、娘と添い寝は出来なくなり、反抗期がきたり、娘とぶつかることもあると思います。
だけど、ママは、一番に娘の幸せを願い、娘の心に寄り添い、味方でいようと思います。
寝顔も笑顔も可愛い娘に、日々感謝。
この度は、本当にありがとうございました。
審査員からのコメント
審査員賞おめでとう御座います。
「好」、ママと子供が寄り添い歩く形です。「オギャー」と泣いてこの世に誕生した赤ちゃんが、親たちの日々奮闘する姿に応えるようにすくすくと成長して、色取り取りの影色を見せてくれます。
「忝」は元々「天心」でした。天に対する心の意味から、かたじけない・身にしみてありがたい・畏れ多い・もったいない、などと感謝の意で使われます。
「添」は水の流れにそうように。穏やかなせせらぎの清流もあれば、嵐の後の激流もあります。どんな時も、寄り添い、付き添い、添い遂げる。そんな親子でいて下さい。お腹の中では、臍の緒で繋がっていた自分の分身ですからね。感謝。命
ゴルゴ松本
抱っこの日々が過ぎ親の腕に収まらないほど大きくなったね。自立に向けて頑張る君達を誇りに思うよ。でも、変わらぬ故郷がここにあることを忘れないで。疲れてしまったらいつでも帰っておいで。我が家は今日も平常運転。いつでも待っています。
山田 泰子 さん
東京都・主婦
受賞者コメント
この度は大きな賞をありがとうございます。「これって全国で5位に入ったってこと!?」と気付いた時に震えました。
この春、長男が中学を卒業しました。つまり義務教育終了。振り返れば本当にあっという間でした。このまますぐに成人して、社会人になって、家庭を持つのかな。でも、子供はいつまで経っても子供。いつでも両手を広げて受け入れてあげたい。その時は特別なご馳走じゃないけど好物を用意するつもり。なんだかんだ言って「いつものアレ」が1番落ち着く気がするから。
審査員からのコメント
審査員賞おめでとう御座います。
世の中の変化は、日々加速しています。周りを見渡しても、アップデートが速い。必要なモノへは何とかくらい付き、そうでないモノには、付いていけません。進化も退化もあるのが世の常です。
お母さんに抱っこされていた小さな子供達がどんどん成長して、自立するまでに大きくなりました。親の手から離れて行く姿は頼もしさもあるけれど、少し寂しさもあるのかな。
「常」とは、普通・あたりまえ・ふだん・変わらない事・永久不変などの意。
「変わらぬ故郷がここにあることを忘れないで。疲れてしまったらいつでも帰っておいで。」って、これこそ母親の全てです。愛です。常です。
愛情という平常運転ですね。命
ゴルゴ松本
- 村井 文乃 さん(広島県・学生)
- 田淵 真吾 さん(福岡県・塾講師)
- 石橋 美由紀 さん(東京都・主婦)
- 小畠 涼子 さん(兵庫県・会社員)
- 岡本 佳也子 さん(岡山県)
- 荻原 有子 さん(東京都・公務員)
- 根本 悦子 さん(東京都・無職)
- 都筑 舞 さん(東京都・会社員)
- 中嶋 健治 さん(兵庫県・旅行作家)
- 岡田 興治 さん(北海道・公務員)
※ 受賞者の都道府県、団体名、年齢、職業は応募当時のものです。
※ 基本的には応募作品の原文をそのまま掲載しておりますが、一部修正を加えている箇所がございます。ご了承ください。
受賞者コメント
この度は素晴らしい賞をいただき、ありがとうございます。
正直なところ、お年頃の娘とは「仲良く穏やかに」とは言い難い日もあります。が、2人で初訪問した漢字ミュージアムにて、偶然みつけたコンテストでの受賞は意味があるのだと感じています。
手紙に書いた気持ちを忘れず、これからも家族と健康と仕事に感謝して、良い塩梅に年齢を重ねていきたいです。
娘よ、これからもよろしくね。
審査員からのコメント
祝・文部科学大臣賞!!おめでとう御座います。 日々、仕事と家事で大忙しのお母さんが、日本酒をグラスに注ぎホッとしている姿を見て、小学生の娘さんが「いい香り、早く私も飲みたい」と一言。これは、お母さんの飲みっぷりが、本当においしそうなんだと思います。目に浮かびます。 お酒は20歳からだから、あと9年先。まだまだ時間はあります。母の願い通りゆっくりじっくり発酵、醸造されて素敵な大人になって欲しいですね。 酒造りは、その土地の「水が命」だと言われます。子供は「おふくろの味が命」です。グラス酒の母が育てる娘さんと数年後、親子水入らずでお酒を酌み交わす姿も目に浮かびました。命
ゴルゴ松本