第12回 今、あなたに贈りたい漢字コンテスト小学生部門 受賞作品
しゃんはいに、おばあちゃんがあそびにきてくれました。ふるいまちのかわのちかくで、いっしょにごはんをたべました。おそらには、ほそい月がありました。なつやすみに、こうべのおばあちゃんのいえにいくと、まるい月でした。かたちがかわるんだとおもった。
岩佐 美余 さん
中華人民共和国上海市・6歳
うれしい時も悲しい時も、ばあばにきいてほしいと思うのは何でかな。お母さんに話すと「それは、ばあばが聞くではなく聴くの達人だからよ。」と言った。聴くを分解したら、耳と目と心でできていた。この全てで聴いてくれるおばあちゃん、いつもありがとう。
田中 夢乃 さん
東京都・9歳・国立学園小学校
受賞者コメント
このたびはすてきな賞をいただき、ありがとうございます。
私はおばあちゃんとくらしています。ばあばは、私のおししょうさまです。
何でも知っているもの知りはかせで、どんな時も私の味方でいてくれるからです。
学校であったうれしいことは、いっしょによろこんでくれて、勉強でふしぎに思ったことを教えてくれて、お母さんにしかられた時には「夢乃だけに、とくべつ。」と、とっておきのおやつをナイショで食べさせてくれます。
目と耳と心で聴いてくれるばあばとずっとずっといっしょにいたいと思って、この漢字をおくりました。
ばあばの大好きな京都にいっしょに行く機会をくださり、本当にありがとうございます。
3年生の私がばあばのためにできることは多くありません。
でも、私がしてもらったように目と耳と心を使ってまわりの人の話を聴くことはできます。家族や友だちの話を聴くことから私は行動していきます。
審査員からのコメント
協会賞、おめでとうございます。
話しことばで「きく」と聞いたら、いろいろなことばが思い浮かびます。薬が「効く」、鼻が「利く」、うわさを「聞く」、国民の声を「聴く」。
お母さんはそれぞれのことばの意味を知っていて、「聞くではなく聴く達人」と教えてくれたのですね。「聴」には十と目と心があります。「徳(とく)」にあるのと同じで「正しい心」という意味です。正しい心で耳にするということは、「ゆる」して、「ききいれ」てくれるということですね。
とっても心が広く大きく、優しいおばあちゃんなのでしょうね。そしてきちんと教えてくれたお母さんもすてきです。
山崎信夫
私の眉は父と同じです。父の眉も祖父と同じです。父は「先祖代々この眉なんだ」と言っていました。その事を聞いてうれしくなりました。今年のお墓参りには「眉は受けついでますよ」と伝えました。この先もずっとこの眉が受けつがれていくといいなと思います。
浅田 愛梨 さん
香川県・10歳・香川大学教育学部附属高松小学校
受賞者コメント
入賞したと聞いた時はうれしい気持ちでいっぱいになりました。
審査員の皆様、私の作品を選んでくださり、本当にありがとうございました。
とってもうれしいです。眉という漢字はまだ学校では習っていないのですが、母に漢字があると聞いて自分で調べてこの漢字に決めました。
眉は人の気持ちを表す言葉に使われたり、顔の絵を書く時も太さや書き方で表情が変わったりするので、気持ちと眉ってつながっているんだなぁと思います。私はこれからもできるだけ多くの時間を笑顔の眉で過ごせていけたらいいなと思います。
この受賞はきっとご先祖様もすごく喜んでくれていて私と同じ眉でほほえんでくれている気がします。
本当にありがとうございました。
審査員からのコメント
ご両親への感謝があれば、自分だけの目線にならず常に周囲への人への目配り、気配り、心配りが出来るようになります。そのことを考えると先祖代々この眉なんだと伝えたお父さんの意図、そして素直にこれを受け入れられる優しい感性。素晴らしいことだと思います。
特に、人は多くの人の、先人の頑張りによって、今があることを感じられれば、いつも相手の目線からものを見て、自分だけの思いから離れて考えられるようになります。
この“眉”という一言が人生において、ずっと多くの意味を持つことを教えてくれる、親子の物語、感動です。
コロナも含め、人と人がなかなか、交わることが、難しい時代になっただけに、素晴らしい作品です。
栗山英樹
目が見えず楽ふも見えないのに、琴のえんそうや作曲した道雄さんに感動しました。どうしたらそんなことができるんですか?今でも天国で琴をひいていますか?ぼくは一度道雄さんのえんそうを直接聞いてみたいです。聞くときっと感動して泣けてくるだろうな。
村上 徹修 さん
愛知県・9歳・名古屋市立自由が丘小学校
受賞者コメント
ぼくが、初めて宮城道雄さんを知ったのは、4年生の1学期の音楽の授業でした。
彼のことを知った時、とても感動して、もっと知りたくなったのでインターネットでしらべました。
すると、僕と変わらない年で失明してから、琴の世界に入り、11才で免許皆伝を受け、14才で作曲をしたということを知り、さらに感動しました。
ぼくは、ふだん文章で自分の考えや、気持ちを表現することが苦手ですが、夏休みに頑張って彼について書き、すばらしい賞をいただけるなんて、うれしくて信じられませんでした。
またこのような機会があったら、書いてみたいという気持ちになりました。
ありがとうございました。
審査員からのコメント
“人って本当にすごいね!”
こう感じることがどれだけ大切なことか、特に最近感じることです。目が見えないハンディを大きな力に変えて大きな感動を多くの人に与えてくれる。そう感じたことは生涯、人への敬意と感謝を持ち続けていけます。こんな思いで生きていく人はまた、周囲にその思いを感じさせてくれると思うのです。最高の経験を一字にしてくれました。
常にすべての人に大きな能力があり、自分はなかなかうまくいかないという人に「能力がないのではなく、自分の能力の使い方にまだ気づいていないだけです。」と話しますが、人のすごさを感じていれば、最後まで自分を信じてがんばれます。
みんな人ってすごいよ、みんな大切にしながら行こうね!
そんなメッセージが聞こえてきた作品です。
栗山英樹
せんせいおげんきですか。そつえんしてから五か月たちました。小がっこうでは、たしざんとひきざんをおそわりました。まだかんじは、ならっていないけれど一ねんせいのならうかんじに花というのをみてそつえんしきのせんせいをおもいだしたのでおくります。
庄司 望 さん
埼玉県・7歳・白岡市立篠津小学校
受賞者コメント
ぼくはならう漢字のいちらんひょうを見て読むことが好きです。でも書くことはまだにがてです。がんばってかいた漢字で賞がとれたんだって聞いてとてもうれしかったです。
小学校は、みんなとあそんで楽しいけど、勉強する時間がたくさんあることにビックリしているうちに夏休みになりました。
夏休みにちょっとだけこどもえんにもどって先生やみんなとあそんだりしたいなっておもったときに先生を思い出してかきました。
この賞がとれたよってこどもえんの先生に見せにいっておどろかせたいです。
これからも漢字が好きになれるように勉強がんばります。
審査員からのコメント
人は今に引っ張られて、これまでお世話になったこと含め感謝がどうしても薄くなります。ですが幼稚園で教わった花という文字を大切に心に置き、感謝の思いを伝えられるこんな成長こそ、親御さんも先生も求めるものだと思います。小さい子供ほどきちんとした大人に会うことが必要で、その感性を子供たちはまっすぐ受け止めるといいます。まさに周囲の方々の生きざまそのものが大きな影響を与えたはず、感動を覚えます。
きっと花のように美しい心を先生から与え続けてもらったのですね。時代が変わっても思いはきちんと伝わります。そんなメッセージも届けてくれました。
そして、感謝の気持ちを持ち続ける純粋な気持ち、きっと素晴らしい人生を歩んでいく姿が見えるようです。
栗山英樹
- 藤野 湊丞 さん(山口県・7歳・山口市立大海小学校)
- 新井 心茉莉 さん(埼玉県・8歳・さいたま市立浦和大里小学校)
- 小野寺 優衣 さん(埼玉県・11歳・久喜市立太田小学校)
- 粉川 麟太郎 さん(埼玉県・11歳・久喜市立太田小学校)
- 中嶋 和希 さん(千葉県・8歳・松戸市立新松戸西小学校)
- 久志 しづく さん(千葉県・9歳・君津市立周南小学校)
- 宇田川 眞丘 さん(千葉県・8歳・暁星国際流山小学校)
- 小島 光 さん(神奈川県・12歳・日能進学教室海老名校)
- 安達 洸晴 さん(大阪府・8歳・枚方市立樟葉小学校)
- 高岩 智志 さん(福岡県・10歳・小学生)
※ 受賞者の都道府県、団体名、年齢、職業は応募当時のものです。
※ 基本的には応募作品の原文をそのまま掲載しておりますが、一部修正を加えている箇所がございます。ご了承ください。
受賞者コメント
ひょうしょうじょうを1かいももらったことがなかったが、こんかいのなつ休みのしゅくだいで、クラスでひとりもだしていなかったからもらえたんだとおもいます。わたしのきもちはもらえてよかったです。ありがとうございます。
いま、わたしはしゃんはいのにほんじん学校にかよっています。かん字とか文しょうをかくれんしゅうをしています。ちゅうごくごもおべんきょうをしています。もっといろんなかん字をおぼえたいです。
審査員からのコメント
みおちゃん、とてもいいところに気がつきましたね。そうなんです。月にはいろんな「かお」があるんです。ほそかったり(みかづきといいますね)、まるかったり(まんげつですね)、はんぶんだったり(はんげつ)します。おじさん(おじいさんかな)は、にんげんもそうだとおもうんです。いろいろな人がいます。ひとりの人にもいろんな「かお」があります。だいじなことは、みおちゃんのように、あるがままに(むずかしいことばでいうと、「せんにゅうかん」をもたないで、といいます)みて、「ふしぎだなあ」とおもうきもちですよ。
橋本五郎