文書力スキルを向上し、お客さまとのコミュニケーション力を高める
損害保険ジャパン株式会社
静岡保険金サービス部
島田 龍太郎 様
会社プロフィール
事業内容:損害保険業
代表者:取締役社長 白川 儀一
所在地:〒160-8338 東京都新宿区西新宿1-26-1
創業:1888年10月
従業員数:23,447名(2021年3月31日時点)
HP:https://www.sompo-japan.co.jp/
「安心・安全・健康のテーマパーク」としてお客さまの人生を支える
SOMPOグループは、「“安心・安全・健康のテーマパーク”により、あらゆる人が自分らしい人生を健康で豊かに楽しむことのできる社会を実現する」という「SOMPOのパーパス」を掲げています。
SOMPOグループの中核企業である損害保険ジャパン株式会社(以下「損保ジャパン」)は、自動車保険や火災保険といった損害保険を取り扱っています。保険業界で初めてコミュニケーションアプリ「LINE」を活用した事故受付・事故対応サービスを導入するなど、デジタルテクノロジーを活用し、お客さまの利便性を追及しています。
保険金サービス部は、怪我や自動車事故、火災、自然災害など、お客さまの有事の際に対応を行う部署で、静岡保険金サービス部では、静岡県のお客さまの保険金手続きを担当しています。商品・サービス・価額といった「物理的・合理的価値」に加え、「問い合わせ時の丁寧な対応が心地よかった」など「心理的・感情的価値」もお客さまに提供できるよう、日々対応させていただいております。
論理的文章力育成コンテンツ導入の経緯
静岡保険金サービス部で論理的文章力育成コンテンツの導入をすることになった理由は、2点あります。
1点目は、お客さまの立場に立ったコミュニケーションが必要なためです。事故や災害などに遭うのは一般的に「一生に1回あるかないか」であり、お客さまの多くは人生で初めて損害保険を利用します。不安を感じているお客さまも多くいらっしゃるので、一刻も早くご安心いただけるよう、親切・丁寧、かつ正確にやり取りをする必要があります。
2点目は、お客さまとのコミュニケーション方法が口頭から文面に変化してきたためです。従来、保険会社とお客さまのやり取りは、電話や対面の面談が中心でした。しかし、事故の内容によっては、やり取りに時間を要し、回数も多くなる場合があるため、リアルタイムで繋がるコミュニケーションはお客さまの負担になります。そんな中、ここ数年、文書やメール、LINEでコミュニケーションを取ることが増えてきました。メールやLINEも幅広い世代で浸透していますし、お客さまにも都合の良い時にご確認いただけます。文面でのコミュニケーションが増えたことで、お客さまに情報を正しく伝えられる表現ができるよう、各社員の文章力を向上させることが必要になりました。
このようにお客さまの立場に立ち、かつ現代に即したコミュニケーションスキルを育成する機会として、本取り組みを始めました。
▲「LINE」を活用した事故受付(一部商品を除く)・事故対応サービスの一例
導入形態
社員の「学びたい」「文章力を高めたい」という主体的な気持ちを重んじるため、毎年希望者を募って実施しています。新入社員や中堅社員、60歳近いベテラン社員まで、幅広い立場・年次の社員が受講しています。
取り組み方としては、まずセミナーを受講し、その後テキスト教材『基礎から学べる!文章力ステップ文章検2級対応』で個人学習を進め、最後に学習の効果測定として、アセスメントツール『論理的文章力トレーニング for Business(以後、論トレ)』のアドバンスレベルを実施しています。
取り組みにあたっては、上司から受講者に状況確認や振り返りのコミュニケーションをとるようにしました。セミナーの受講からアセスメントの実施までは3ヶ月以上あるため、中だるみしないように「日々のお客さま対応にどう活かせているか」を振り返る機会を設けています。また、アセスメントは、結果資料を通して得意・不得意を自己認識し、内省し、今後のお客さま対応に活かしてもらうことが目的です。アセスメントの結果は上司に共有し、「その後、どう活用している?」と受講者に声かけをしています。
もちろん、アセスメントのスコアが良いに越したことはありませんが、普段漠然と抱いていた文章の違和感や、その原因に気づければ、たとえ点数が低くても成果につながると考えています。
論理的文章力育成コンテンツの良かったポイント
セミナーの受講後にアンケートを実施しましたが、「このような研修は受けたことがなかったので、新鮮でした」など、好評の声が非常に多かったです。ベテラン社員でも文章の書き方に対しては漠然とした不安を抱いていたようで、文章作成への向き合い方が明示されたと感じたようです。
アセスメントは、各設問に時間制限があるため、緊張感をもって取り組んだようです。時間内に指定の文字数を書き切れず、「悔しい」と話す受講者もいました。もちろん文章の中身も大事ですが、お客さま対応を行う上では対応するスピードも大事です。自分の文章を書くスピードを意識する、良い機会になったのではないでしょうか。
年度を通して種々の研修を実施していますが、この文章力育成研修は希望者が多い研修の一つでした。
保険会社が取り扱う金融商品は、無形であり、店頭に商品が並んでいて触って実体が確認できるものではありません。また、有事の際の補償をするという性質上、契約されているお客さまが実際に補償の手続きをする機会も限られています。普段触れることがない商品だからこそ、お客さまにご理解いただけるかどうかは担当者の発する言葉や文章、つまり「説明力」にかかっています。誰が読んでも「同じ解釈になる」「この意味しかありえない」という一義的な文章を書けることが重要です。
文章を使ったお客さま対応の品質やスピードを高めていけるよう、今後数年かけて部全体の文章力向上に取り組んでいきたいと考えています。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。