社内外のコミュニケーションに必要な論理的思考と文章力
日本瓦斯株式会社
コーポレート本部 人事部 採用・研修課
課長 宮山祐子様
会社プロフィール
事業内容:液化石油(LP)ガス・都市ガス・電気をはじめとする総合エネルギー事業
代表者:代表取締役社長執行役員 柏谷邦彦
所在地:〒151-8582 東京都渋谷区代々木4丁目31番地8号
設立:1955年 7月29日
従業員数:1,775名(連結)(2022年4月1日時点)
HP:https://www.nichigas.co.jp/
エネルギー業界を牽引するプラットフォーマーへ
日本瓦斯株式会社(ニチガス)は、液化石油(LP)ガスのパイオニアとして60年以上続く企業です。地域社会へのLPガスの供給・保安や、ガス機器・リフォームなどの生活に付随する商品・サービスの提供を行っています。その後、エネルギーの自由化及びIT改革に伴い事業を拡大し、ガスだけにこだわらない「総合エネルギー企業」へと変革を遂げました。
ニチガスが目指すのは、業界各社が個性を活かしつつ、システムなど裏側の仕組みを必要に応じて共有・共同利用することで、より効率的にお客様にエネルギーを供給できる世界です。システムのみでなく、ガスメーターやボンベ、車輌や人などのあらゆる資産を共有することで、業界全体の業務効率化、CO2削減、新たな価値の創出を図っています。また、異業種も含めたシェアリングエコノミーの創造により、新たな形で地域社会に貢献していきます。
これまではシェアを競い合う「競争」の時代でしたが、これからは「共創」の時代です。複雑化する地域社会へ貢献するために、他社と「共創」することでイノベーションを生み出していきます。
論理的文章力育成コンテンツ導入の経緯
論理的文章力育成を検討し始めたきっかけは、社員全体のビジネス文章力の弱さを幹部層など各所から指摘されたことです。具体的には、社内掲示板に掲出される管理職の通知文や、チャット・メールによる部下の報連相がわかりにくいという内容でした。
近代は、コミュニケーションツールの技術革新に伴い、学生が親などの目上の人を介さず、直接友人同士でコミュニケーションが完結する時代です。まずは、新入社員に対して、業務に必要不可欠なコミュニケーション力や文章力を基礎から育成しておく必要がありそうだと考えました。
当社では、社内外の関係者とチャットやメールで頻繁にコミュニケーションを取ることが当たり前になっています。日々の業務で相手にわかりやすく伝えたり、効率よく物事を進めたりするためには、論理的思考は欠かせません。漢検協会のコンテンツは、論理的思考を働かせながら文章力を養うもので、当社が求める能力にマッチすると感じ、導入に至りました。
導入形態
4月 8月
新入社員には1.5か月間の新入社員研修中に2種類のテキスト(『基礎から学べる! 文章力ステップ』、『文章検 公式テキスト』)を配布し、8月に行われる文章読解・作成能力検定(以下、文章検)の合格に向けて学習するよう呼びかけました。紙のテキストは、研修中の自習時間や隙間時間の課題など、短い時間での使用に適していたと感じます。
高卒入社者は4級、大卒入社者は3級合格を目指します。検定はあくまでも個人の能力を測るために実施しておりますが、会社から与えられた機会を活かし、自分の実績にしようという前向きな取組姿勢はしっかり観察しています。
論理的文章力育成コンテンツの良かったポイント
文章検に合格できれば、まだ見習い中の新入社員にとって、成功体験を積む良い機会になります。また、たとえ合格に至らなくても、どのくらい足りなかったかを点数で把握することで、自分の現在地と目標を知る指針の1つになります。
また、メールやチャットでのコミュニケーションが主流になっている現代では、慎重に文章を作成する意識が下がってきているように感じます。今回、新入社員は自分の文章力を点数で目の当たりにすることで、文章を書く際の意識向上につなげられたのではないでしょうか。
新入社員の配属後アンケートでは「メールの文面を上司に褒められた」「お客様とのやり取りが以前よりスムーズになった」という成長実感の声をもらいました。配属先の上司からも「申請等の文面が分かりやすい」「メール及びチャットで要点を明確に伝えられる」などの声があがっています。今後も新入社員の文章力育成を続けることで、配属後の実践でコミュニケーションや文章に対する意識が高まっていくことを願っています。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時(2021年12月)のものです。