MR(医薬情報担当者)に必要な、メール・手紙での分かりやすい情報伝達力を養う
日本新薬株式会社
営業本部 営業企画統括部 医薬研修部
沖見 宗和 部長 久本 一貴 様 伊藤 佑美 様
会社プロフィール
事業内容:医薬品・機能食品の製造及び販売
代表者:代表取締役会長 前川 重信、代表取締役社長 中井 亨
所在地:〒601-8550 京都府京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14
設立:1919年10月
従業員数:2,059名(2021年3月末時点)
HP:https://www.nippon-shinyaku.co.jp/
「人々の健康と豊かな生活創りに貢献する」
日本新薬株式会社は、人々の健康と豊かな生活創りに貢献するべく、医薬品事業と機能食品事業の2つの事業を展開する製薬会社です。医薬品事業では、処方箋に基づいて患者さんに提供される「医療用医薬品」を開発・製造・販売しています。病気に苦しむ患者さんの「福音」となる薬を提供できるよう、使命感を持って取り組んでいます。また、機能食品事業では、食品品質安定剤、プロテイン製剤等を取り扱っています。健康志向の高まりや、フードロスの削減といった社会のニーズに対応する商品です。ヘルスケア分野で存在意義のある会社になることを目指し、日々活動を進めています。
私たち医薬研修部は、医薬品事業に従事するMR等の社員を育成することで事業を支えています。MRとは、Medical Representatives(医薬情報担当者)のことで、医薬品の品質、有効性、安全性などの情報を医師や薬剤師等に提供し、医療現場からは薬効・副作用などの最新情報を入手し社内の関連部門にフィードバックすることが主たる業務です。
論理的文章力育成コンテンツ導入の経緯
新型コロナウイルスの影響で、MRを取り巻く環境が劇的に変化し、新しいアプローチスタイルが定着しました。
病院に訪問することが難しくなったため、医師や薬剤師の先生方と面談をしてもらえるよう、まずは手紙、メール等で連絡をすることからコミュニケーションが始まります。もちろん、他社も同様です。数ある手紙やメールから選ばれ、読まれ、面談の機会をいただくためには、端的に情報がまとめられた文章作成スキルが重要になりました。今まで以上に高度な文章力が求められる状況になり、2020年から営業本部に配属された新入社員を対象に論理的文章力育成コンテンツを導入することとしました。
導入形態
1年目の導入段階では、セミナーとテキスト学習の2種類を導入していましたが、2年目からは、定着を促すために取り組む期間を延長し、アセスメントとeラーニングを追加しました。はじめに文章力のアセスメントツール『論理的文章力トレーニング for Business(以下、論トレ)』のアドバンスを受講し、新入社員に今の自分の文章力を把握してもらいます。その後、セミナーの受講を通して業務における文章力の重要性を体験してもらい、文章に対する意識改革を図ります。セミナー受講後は、eラーニングとテキスト教材『文章検 公式テキスト』を使って、2か月半ほど学習を進めてもらい、最後に学習の成果を発揮させるために、再度『論トレ』のアドバンスを受講してもらいました。
学習コンテンツの中心はeラーニングです。『文章検 公式テキスト』は必要に応じて学んだことをふり返れるよう、4級・3級・準2級・2級の各級1冊ずつをセットにし、1チームに1セット用意しました。当社のMRは配属後、チーム単位で活動していくことから、新入社員のうちからチームで動く意識を醸成させるため、研修期間中からチームでの動きを取り入れました。
また、論理的文章力育成コンテンツに加え、医薬研修部の研修担当者自身が新入社員のメール文や週報の添削を行うことで、実務に繋がるアウトプットの質を向上させていきました。
論理的文章力育成コンテンツの良かったポイント
新たにアセスメントとeラーニングを研修に追加したことで、実力把握から能力育成、効果測定を一連の流れで行うことができ、非常に効率的だったと感じます。
また、アセスメント結果に、論理的文章力に必要な5つの要素(論理構成力、文章作成力、表現・校正力、要約力、読解力)がレーダーチャートで可視化されていたことも良かった点です。特定の要素の強み・弱みが見えたことで、なんとなく「文章作成が苦手だ」と思っていた社員も、日々のアウトプットで意識すべきポイントや勉強する上で注力するべき観点が分かったようです。2回目にアセスメントを実施した際は、「前回よりも要約力が伸びた」といった受講者同士の会話もありました。
▲アセスメント結果資料のレーダーチャート
eラーニングは、管理者が受講者の進捗を管理できる点が便利でした。使い方も分かりやすく、集中して全員がやり切ってくれました。ただ、eラーニングを2日ほどで終わらせた人もおり、継続的な学習を通じて文章力向上を図るという意味では、少しずつ取り組ませた方がよかったかもしれません。
導入前に比べて、筋道が通った文章を書く社員が増えたと感じます。文章だけでなく、口に出す言葉もビジネスに適した表現へと変わってきました。初回と2回目の全体のアセスメント結果を比較してみると、MRに重要な資質である端的な情報伝達力(要約力)の点数が大幅に上がり、平均点も倍になりました。医薬品情報等に関する知識と文章力を兼ね備えた人材を育成できたことは大きな成果ですし、コロナ禍に入ってからいち早く導入して良かったと感じています。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。