漢検が文章検を実施する意義
日本漢字能力検定協会は、社会生活に必要な日本語・漢字の能力を高め、広く日本語・漢字に対する尊重の念と認識を高めるため、日本語・漢字に関する能力育成を行い、我が国における生涯学習の振興を通じて日本文化の発展に寄与することを目的としています。
漢字能力育成のために、長年「日本漢字能力検定(漢検)」を実施してまいりました。その「漢検」を通じて培った漢字能力・語彙力の運用力を高めてもらうために、2013年より、「文章読解・作成能力検定(文章検)」を行っています。
私たちは、日常、他人が発する情報を読み取り、自分の思いや考えを他人に伝えるということを頻繁に行っています。そんな中で、相手の真意を誤解したり、自分の述べたいことを十分に伝えられなかったりすることが起こります。もし、そのコミュニケーションがうまく行えたら、とてもすばらしいと思いませんか。
情報化・国際化が進む現代社会においては、文章でのコミュニケーションが占める割合が高くなってきています。言い換えれば、他人の文章を正確に読み取り、自分の考えや意見を的確に文章で表現する能力が、生きていく上で特に大事なコミュニケーション能力と一致しているのです。その能力を高めることができれば、日常生活は言うまでもなく、学業、仕事、進学、就職といった社会生活も、より充実したものになるでしょう。
文章でのコミュニケーション能力、つまり文章を読み解く力と作成する力を育成し、論理的思考力を高めることを目的としているのが「文章検」です。「文章検」では、これまで曖昧だった「文章能力」を「基礎力」「読解力」「作成力」の3つの力に分類し、それぞれの知識・能力を測ります。その結果、自分の強みや弱みを客観的に知ることができ、長所を伸ばしたり弱点を克服したりというように、自分に合った効果的な学習が可能になるのです。
「文章検」は、文章能力を「測る検定」であると同時に、「育てる検定」でもあります。この検定で、すべての人の日本語の学びを支えることが当協会の願いです。