学校法人、各種教育機関の指導者様へ
団体受検 取組事例
大学・短期大学・専門学校
言語運用能力の向上を促進する「検定認定制度」
北海道
[私立] 北星学園大学
文学部 心理・応用コミュニケーション学科
学科長 大島 寿美子 様
専任講師 寺林 暁良 様
学校・学科紹介
本学はプロテスタンティズムを建学の精神とし、しなやかな精神的骨格を持った個性ある大学として、時流や利害に流されない独立した人格を学生のうちに育てたいという基本理念のもと、地域・社会・世界に開かれた大学を目指しています。 そして本学科では、人々の相互理解と協働が求められる社会状況において、コミュニケーションの活性化に貢献できる人材の育成を目指しています。心理学の知見に基づいて人間を学ぶとともに、社会の現場で自ら問題を見つけ出し、考え、行動する力を養成します。理論と実践の融合を目指した教育体制を敷いており、心理学的トレーニングと言語表現力の強化、そして現場での実践を積極的に進めています。
コミュニケーション能力の土台となる文章力の強化
本学科では、文章力を身につける「日本語表現」、ディスカッション・共同作業を行う「基礎演習」「専門演習」、学外で実践的なコミュニケーションを行う「フィールド実習」など、コミュニケーション能力を育む機会を数多く設けています。特に文章力は、対人コミュニケーションに必要な「聞く力」「話す力」の土台となります。文章を通じて適切な理解・表現ができなければ、当然対面でのコミュニケーションもうまくいかないからです。 また、卒業研究では、自身で問いを立て、多くの人々の協力を得て研究を実施し、その分析結果と結論を、文章として表現しなければなりません。卒業までに学びの集大成として、28,000字以上の卒業研究論文を完成させる必要があります。そのためにも、文章力を含む言語運用能力は学生にとって必須の能力だと考えています。
言語能力を向上させる検定認定制度
コミュニケーション能力向上に日々向き合う学生には、授業以外でも日本語・外国語の言語運用能力の向上に主体的に取り組んでほしいと考えています。そのため、民間検定資格の取得を単位として認定する「検定認定制度」があります。入学前の5年間を含め、日本語や外国語の運用に関する検定資格を取得して、合計8単位分を取得することが卒業要件となっています。8単位の取得の方法には、例えば「日本漢字能力検定」(以下、漢検)の1級取得(8単位)や、「漢検」2級取得(4単位)+「実用英語技能検定試験」2級取得(4単位)があります。 2020年度から、この「検定認定制度」に「文章読解・作成能力検定」(以下、「文章検」)を加えることにしました。「文章検」は、まとまった量の文章を書かせる設問が多く、論理的な文章力の測定ができるという、他の検定にはない大きな特長があります。また、学生の能力を把握し文章指導を行う際の参考になるという利点もありました。 導入初年次の2020年度は初めて受検する学生が多かったため、事前に過去問題等を使いながら、出題傾向や解答する上での注意などに関する対策講座も開催しました。結果、学内ではのべ63人の学生が受検し、合格率は88%(2020年度準2級・3級合計)と数多くの学生が合格を手にしています。 我々が重視しているコミュニケーション能力の土台となる文章力向上を目指し、今後も定期的に学内での団体受検を実施し、学生の受検を促していく予定です。
高校生の皆さんへ
本学科では、人の心や思考の仕組みに興味・関心のある人、社会の仕組みや実態を知りたい人、言葉で世界を広げたい人、自らの頭で考え行動して自分を表現したい人、活きたコミュニケーションを実践したい人を求めています。そのため、入学前から日本語や英語などの検定試験に挑戦するなどして、コミュニケーションツールとしての語学力を高めてください。また、書籍や映画などさまざまなメディアにアクセスし、文化や社会の動き、多くの人々の経験について触れて欲しいと思います。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。