学校法人、各種教育機関の指導者様へ
団体受検 取組事例
大学・短期大学・専門学校
就職活動時に必要な「書く力・話す力」の育成
中国・四国 / 愛媛
学校法人 河原学園 河原アイペットワールド専門学校
ドッグトレーナー・ペットビジネス学科 岡田 拓二 様
■ 学校紹介
河原学園は、愛知県・愛媛県を中心に大学・大学院1校、専門学校9校、高等学校3校を擁する総合学園グループです。常に「感謝の心」を持って、「高度な専門教育」、「職業意識の向上」、「生きる力」を育む教育活動を行い、地域に貢献できる学生を育成することを教育方針に掲げています。本校も学園の教育方針に沿って「動物愛護の精神に基づき創造性に溢れ、動物たちの健康管理や飼育管理の専門能力を有した人材を育成・輩出し、地域社会の発展に貢献すること」を目指しています。
■就職活動と学生の現状
動物分野の就職活動は、インターンシップへの参加から始まります。2年次に希望企業で選考を兼ねたインターンシップがあり、うち約8割の学生が受け入れ先の企業に就職します。 インターンシップの選考では、履歴書の提出や面接があります。しかし、自分の長所や志望理由などをうまく言語化できず、履歴書の作成や面接に不安を覚える学生は少なくありません。学生が自信を持って自分のことを語れるようになってほしい、相手に自分のことをわかりやすく伝えられるようになってほしい、という思いから文章読解・作成能力検定(以下、文章検)を導入しました。
■文章検の活用
本校では、文章検3級の合格を目標に、就職活動の準備を行う1年次前期の「就職実務Ⅰ(15コマ)」のうち8コマを用いて文章検の指導に取り組んでいます。指導では、『基礎から学べる!文章力ステップ 文章検 3級対応(以下、文章力ステップ3級)』を使用しています。『文章力ステップ3級』は、「語彙・文法」「資料分析」「文章読解」「手紙文」「意見文」の5つの章で構成され、全ての章で基礎から段階的に指導することができます。また、各ページに「考えるヒント」や「学習の手引き」など指導や学習のポイントが記載されているため、教員の指導経験に拠らない均質的な指導を行うことができます。その結果、学校として体系的な文章指導ができていると感じています。
■文章検をもとにした「書く力」「話す力」の育成
文章検の指導後、学生の履歴書に変化が見られました。自己PR欄で自身の長所や思いについて、順序立てて書けるようになってきたと感じます。また、文章検の考え方は書く力だけでなく、話す力の育成にも活用できると考えました。 文章検3級「意見文」の問題では、「事実・意見・根拠」の枠組みに沿って文章を作成することが求められます。この枠組みは、学生が自分の意見を考え、話すときにも当てはめることができます。面接指導では、文章検の意見文を例に挙げ「事実→意見→根拠」の順で考え、話すよう伝えています。学生たちは、何をどんな順番で伝えたら相手に理解してもらえるのかを意識するようになりました。 文章検の学習によって、約2割の学生は面接の練習をせずとも「事実・意見・根拠」の枠組みに沿って自ら思考を整理し、話すことができています。また、約5割の学生は数回の練習を経てできるようになっていきます。しかし、残り約3割の学生は、練習をしても面接というものに対して強い苦手意識を払拭できないようです。苦手意識の原因は、伝えたいことを整理するのに時間がかかっているからだと思います。このような学生とは、対話を通じて一緒に思考を掘り下げる時間を作ります。まず、相手に何を伝えたいのか、質問しながら一緒に考えて言語化していきます。その後、出てきた内容を取捨選択し、「事実→意見→根拠」の順で話すように指導します。少し時間はかかりますが、伝えたいことを明らかにすれば、相手に伝わりやすい順番を考えて話せるようになってきます。
■高校生の皆さんへ
動物分野では、動物に関する知識だけではなく、飼い主に寄り添い、わかりやすく説明するコミュニケーション力が求められます。ぜひ高校生のうちに、自分の考えが相手に伝わっているか、相手にどう思われるかなど、他者を意識したコミュニケーションを心がけてみてください。もし本校に入学してくださるなら、学生一人ひとりの夢を叶えるために全力でサポートします。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。