学校法人、各種教育機関の指導者様へ
団体受検 取組事例
大学・短期大学・専門学校
自動車業界で活躍するために必要な日本語の力
近畿 / 兵庫
学校法人トヨタ神戸整備学園 専門学校トヨタ神戸自動車大学校
教育部 上田 昌二 様
■本校の紹介
トヨタ自動車株式会社のグループである本校では、「つねに時代をリードできるカーテクノロジーのエキスパートになりうる基礎の修得」を目指し、「プロとして活躍できる技術を学び、技能を身につける」「人から信頼される豊かな人間性を養う」「時代と共に成長できる向上心を培う」ことを教育目標としています。授業では、トヨタ自動車株式会社発行の教科書や技術資料を使い、車の基本構造から最新技術までを指導。また、勉強が苦手な学生へのサポートなど、個々に応じた教育で脱落者ゼロを目指しています。その結果、国家資格である国家2級自動車整備士試験の合格率は100%(2級ガソリン全国平均89.8%)、国家1級自動車整備士試験の合格率も100%(全国平均61.1%)と、全国平均を大きく上回る実績を上げています(いずれも2021年3月実施分)。
■社会人として必要な「日本語力・文章力」を養う
本校の高度自動車科の卒業生は、整備士として地域の販売店に、また技術担当として自動車関連のメーカーに就職します。そして、どの職種に就いたとしても、専門的な知識・スキルに加え「日本語力・文章力」が必要です。例えば、整備士は不具合の状況や作業進捗を社内外へ正確に報告しなければなりません。また、メーカーの技術担当は、新しい商品や機能の特徴・価値を販売店に紹介する等、さまざまな場面で「日本語力・文章力」が求められます。 国家資格である自動車整備士を取得する上でも、日本語能力は必要不可欠です。特に国家1級自動車整備士の試験は50問を100分で解答しなければならず、短時間で問題文や選択肢の情報を読み取り、整理する読解力が求められます。
■繰り返し取り組ませることによる着実な能力育成
本校では、学生が将来就職先で中核を担う人材として活躍できるよう、専門的な知識・スキルと同様に社会人としての基礎力を段階的に育成しています。そして、その中のひとつである日本語能力の基礎を固めるツールとして、文章読解・作成能力検定(以下、文章検)を活用しています。 文章検は高度自動車科の2年生を対象に、50分×14コマの授業の中で指導しています。最初の10コマは教材『基礎から学べる!文章力ステップ 文章検 準2級対応』(以下、『文章力ステップ 準2級』)を使用し、資料分析・文章読解問題を指導、残りの4コマで論説文の作成に取り組ませています。論説文作成の授業では、学生に各コマ2テーマずつ論説文を書かせ、担任が添削して翌授業でフィードバックをします。添削は、文章構成ができているか、事実に具体性があるかなどの観点でチェックをしているため、朱入れを含めて学生1人当たり5分程度で終えることができます。また、繰り返し書かせることで学生がポイントを理解でき、回数を重ねるごとに文章の質が向上していきます。 語彙や文法など基本的な知識については『文章力ステップ 準2級』や文章検の過去問を使用し、毎朝のホームルーム内の5~10分程度で演習・解説を行っています。7月ごろから11月半ばまで繰り返し取り組ませており、多くの学生は着実に知識を身につけていきます。 そして、準2級合格を目標として、全員で文章検を受検しています。資格を取得することは彼らの自信に繋がりますし、何より「頑張って勉強すれば結果が出る」という成功体験は、国家試験などその後の学びに向かう姿勢にも影響する、学生にとって大変価値のあるものだと感じています。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。