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看護師に必要な思考力・文章力を鍛えるために

副校長 上坂 千代美 様

関東 / 東京

板橋中央看護専門学校

副校長 上坂 千代美 様

輩出したい人物像と必要な能力

 本校は、関東を中心に約140施設を運営するIMSグループの附属看護学校です。地域社会に貢献できる看護実践者を育成するべく、教育目標の中でも特に重視しているのが「豊かな人間性」を養うことです。IMSの基本理念である「愛し愛されるIMS」に基づき、「人類愛」を本校の教育理念に掲げていますが、「豊かな人間性」を養うことが、人を愛し人に愛される人間を育成することに繋がると考えています。
 本校の特長として、カリキュラムの中に人間性を高める科目が多く設定されていることが挙げられます。特に「基礎分野」では、人間総合科学やボランティア論、国際交流など、看護師である前にひとりの社会人として求められる幅広い教養や多様な価値観を受け入れることのできる「豊かな人間性」を育むための講義を開講しています。これらの講義や行事等を通じて培った力が、看護師として活躍するための土台となるのです。
 また、本校はIMSグループの附属校であり、グループ内の施設へ就職することができます。就職先を決めるにあたり、早い時期から病院見学やインターンシップを行ったり、IMSグループ職員が参加する運動会、OB・OGが講師を務める国家試験対策の講義へ参加したりすることで、現場で活躍している医療スタッフと交流する機会を設け、就職後のイメージが湧くように工夫しています。2年次には就職先が決まり、3年次には働くイメージを持った上で国家試験対策や実習に専念することができるため、それが高い国家試験合格率に繋がっていると思います。

取り組むべき課題

 看護師国家試験では、状況設定問題を中心に読解力や情報を取捨選択する力が求められます。また就職してからは、看護記録や論文・レポートの作成など、他者に伝わる文章を書かなければなりません。そのためには科学的思考力が必須なのですが、近年の学生は、具体と抽象の行き来ができず、論理的な思考が苦手な傾向にあります。そこで、思考の訓練と文章力向上を目的に、1年次の「基礎分野」では「学習と文章」「論理的思考」という科目も設定しています。
 まず、前期の「学習と文章」では、基本的な学習方法や文章作法を身につけ、自分の考えを表現し伝える力を養います。そして前期で学んだことを踏まえ、後期の「論理的思考」では、テーマに沿った計画書やレポートの作成演習を行います。国家試験にも繋がる勉強方法を学ぶとともに、看護師に求められる文章力の基礎を身につけられるよう、講義を設計しています。

「文章検」を活用する目的

 「学習と文章」科目では、ある程度まとまった分量(400~800字)で自分の考えを表現できる力の育成を目指しています。この科目で使える教材を探していたところ、「文章検」の案内を受けました。協会発行の教材は文章力向上に必要な力が章立てされていて使いやすく、グラフや図表の読解問題がある点が魅力です。これに取り組めば基本的な文章を書けるようになると感じ、教材の導入を決定しました。あわせて、学習のモチベーションとなるよう「文章検」合格を単位認定要件にしました。学生たちにとっては、知名度の高い「漢検」を主催する協会が提供しているということも、合格を目指すモチベーションに繋がっているように思います。
 本校には文章指導の専門家がおらず手探りで指導していましたが、「文章検」という体系的に指導できるコンテンツを導入し、外部の非常勤講師に指導を依頼したことが、学習効果だけでなく教員負担を減らすといった面でも有効だったと感じています。

「文章検」の学習指導

 本校では、1年次の「学習と文章」科目で「文章検」3級を学習しています。教材として『基礎から学べる!文章力ステップ』を採用し、入学前の3月に配付して、第1章は入学前課題にしています。残りの第2~5章は前期の講義で学習し、11月の検定に向けて1~2回の補習を行っています。基本的に講義内で完結するようにしており、宿題は課していません。本科目の単位認定には検定合格が必須ですので、11月検定の不合格者は2月に公開会場で再受検をしています。
 また、本科目の目的は、看護師に必要な思考力・文章力を鍛えることです。そこで、「文章検」の中の意見文作成のステップを利用して、「安楽死の是非について」などオリジナルテーマで意見文を作成する時間も設けています。

「文章検」の効果

 「文章検」を導入した初年度、11月検定の合格率は8割でした。しかし、再受検になった学生も自発的に『文章検 過去問題集』を購入して学習するなど積極的に取り組んだ結果、最終的には全員が合格できました。講義でただ学習するだけでなく、“単位認定=検定合格”という不可避の目標を掲げたことが、学生の学習モチベーション向上に繋がったと思います。また、初年度の先輩たちが全員合格したことが、次年度以降の学生にも良いプレッシャーとなっているようです。
 「文章検」に合格したことで自信を持ち、1年の12月から始まる実習やその他の科目、さらに国家試験に向けた学習にも前向きに取り組んでくれることを期待しています。

※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。


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