学校法人、各種教育機関の指導者様へ
団体受検 取組事例
大学・短期大学・専門学校
複数の教材を使った段階的な文章指導
中国・四国 / 岡山
専門学校ビーマックス
校長代理 横田 悟 様
教務部 メディカルスタッフビジネス学科 松田 千聡 様
■本校の紹介
本校では、就職内定獲得を最終目標とせず、社会で活躍する「人財」 となることを見据えた指導を教育方針に掲げています。育てたいのは「その先を活きる力」。学生には、就職後に幸せになるための力を身につけてほしいと考えています。そのために専門知識の習得はもちろん、入学直後から社会人マナーや心構えを学ぶ新入生研修、毎朝自分の想いを伝え、教員やクラスメイトが想いを返すスピーチの時間、全員で行う社会貢献活動など、社会人としての「基礎力」や「人間力」を育む機会を多く設けています。
■社会人としての「基礎力」を支える文章力
今の時代、コミュニケーションを必要としない職業はありません。社会人としての「基礎力」のひとつにコミュニケーション力が挙げられます。そしてそのコミュニケーション力を支えるのが読み書きの力、文章力なのです。 しかし、本校への入学希望者の文章力に対して課題を感じることは少なくありません。入学試験では、面接日当日に作成する「面接カード」に志望理由等を書かせています。その文章を見ていると、書きたい内容が構造的に整理されておらず意見に一貫性がない文章や、質問に対する回答が不十分なため面接官がヒアリングしなければ内容がわからない文章が散見されます。 本校の学生には、自分の意見とそれを支える具体的な理由を添えて相手に伝えられるような文章力を身につけてほしいと考えています。そこで、文章力を育むツールのひとつとして、文章読解・作成能力検定(以下、文章検)コンテンツを取り入れています。
■文章力を基礎から育む文章検
文章検コンテンツは、メディカルビジネススタッフ学科の1・2年生を対象に50分×15コマの授業時数の中で活用しています。授業では学習教材として『7日でチャレンジ 文章作成ワーク(以下、『ななチャレ』)』『基礎から学べる!文章力ステップ(以下、『文章力ステップ』)』の3級対応、4級対応を、学習目標及び効果測定のツールとして「文章検3級」を活用しています。これら複数のコンテンツを組み合わせて指導を行うことで、効果的な学習ができていると感じています。
(1)ななチャレの活用
まずは文章作成の基礎を身につけさせるため、『ななチャレ』を用いて授業を行いました。 一見簡単そうな教材ですが、文章作成を極端に苦手とする学生にとっては、実状に即した学習レベルであると感じています。また、入学時点で一定レベルの文章が書ける学生の多くも、無意識的にできているだけで、意識的に文章作成の考え方やスキルを活用できているわけではありません。『ななチャレ』はそういった学生が文章作成のポイントを確認し、意識的に活用するスキルとして定着させることにも効果的だと感じています。
(2)文章力ステップの活用
『ななチャレ』の指導を終えた後、『文章力ステップ』3級対応、4級対応を順に活用して授業を行いました。授業は、まず学生が各ステップの演習問題に取り組み、その後教員が解説するといった内容で展開しています。実は、当初の計画では『文章力ステップ』の学習に多くの時間数を割く予定だったのですが、先に『ななチャレ』を通じて文章作成の基礎を身につけることができたため、『文章力ステップ』の理解度は非常に高く、想定より短い時間で終えることができました。
(3)文章検の実施
文章検は、授業の学習目標、頑張った証を資格として残すことを目的に全員で3級に挑戦しました。基礎から着実に能力を積み上げたためか、検定当日の学生の顔には自信の色が見えました。結果は全員合格。非常に嬉しい結果となりました。
■導入後の効果
文章検コンテンツを活用した指導の前後で、学生の文章は大きく変化しています。例えば、インターン先で作成する日誌について、昨年度までインターン先の企業様からご指摘 をいただくことが多かったのですが、今年度はその指摘がありませんでした。学生の書いた日誌を見ていると、自分の学びや気づきを相手に伝わるよう整理された文章へと変化していることを実感します。 今回の結果を踏まえ、今後は他学科での活用も視野に全校的な文章力の向上を図っていきたいと考えています。
■高校生の皆さんへ
専門的な学びは、文章力などそれを支える基礎学力があって初めて成り立ちます。高校を卒業するまでにいかに基礎学力を身につけておくかが、多くの専門的な学びを享受するための「学びの器」を広げることに繋がります。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。