学校法人、各種教育機関の指導者様へ
団体受検 取組事例
中学校
「自ら発信していく力を身につける教育」の一環として「文章検」を活用しています。
関東 / 東京
[私立] 女子聖学院中学校高等学校
学年主任 筑田 周一先生
学校の特色
本校はキリスト教教育を土台とし、「神を仰ぎ、人に仕う」を建学の精神とする中高一貫の女子校です。「Be a Messenger 〜語ることばをもつ人を育てます〜」を教育スローガンに掲げ、言葉を大事にし、自分の思いを、自分の言葉で語れるような人材を育成しています。
論理力向上の取り組み
国語の授業というと文学作品に触れるというイメージがありますが、本校ではそれだけでなく社会に出て通用する力を身につけてほしいと考え、20年以上前からディベートを取り入れています。ディベートは、相手をやりこめることが目的ではなく、相手の話を良く聞きどのような論理に基づいた意見かを見極めた上で、第三者のジャッジ(専門の審査員)を納得させられるように自分の意見を論理立てて主張する力が求められます。
導入当初は高1で年2回実施していましたが、今では前倒しで中3から取り組んでいます。またさらにその前段階として、他者とのかかわりの中で情報を取得し発信する力を身につけるため、中1では自己紹介や「似て非なるもの」スピーチ*1、中2では新聞作成や教員インタビューを取り入れています。
2020年の大学入試改革を見据えて、自ら論理的に発信していく力を身につけることが必須ですが、ディベートの授業はその力を身につけるのに適していると感じています。実際、医学や看護の道に進んだ卒業生や一般企業で活躍する卒業生からは、ディベートで身につけた傾聴力・論理力がとても役立ったと聞いています。
*1 似てはいるが意味が異なる言葉を調べ、発表する授業
「文章検」への取り組み
本校では、「自ら発信していく力を身につける教育」の一環として、他者を意識した文章を書けるようになってほしいと考え、「文章検」を採用しています。普段の国語の授業ではなかなか手を付けられない手紙文や敬語の使い方等を学ぶ機会にもなっています。また、説明文の読解や図表を見て情報を抜き出す出題があるので、2020年度から始まる大学入学希望者学力評価テスト(仮称)の対策やPISAの学力調査で測られる読解力の習得に繋がると考えています。
昨年度、中学では全学年で全員受検しており、級の取得が生徒のモチベーションアップに繋がっています。前回は中1・2年が4級、中3が3級を受検しましたが、本来は中1に4級、中2に3級、中3には準2級を取得させるのが理想的です。
■指導方法■
協会発行の『文章力ステップ』というテキストを活用しています。本校の場合、1月末の「文章検」受検に向けて、まず冬休みにテキストを自習させ、その後授業で再度テキストに沿って4~5時間指導しました。繰り返し学習することで、手紙の形式や敬語等のきちんとした言葉遣いが身についたように思います。また、4級を受検した中1には、3級のテキストを春休みの宿題に出しました。本校には自習ができるラーニングセンターがあるのですが、春休み中も生徒はそこに通ってテキストに取り組んだようです。『文章力ステップ』は解説が丁寧なので、自学自習できるのが魅力です。
また昨年度の中2では、「文章検」で学んだ知識を生かして、先生たちへ御礼の手紙を書く授業を行いました。普段面と向かって言えないことでも、きちんとした形式に則れば伝えることができるという良い経験になったようです。
メッセージ
国語は、身についた力を実感させにくい教科です。しかし、「文章検」では文章力を向上させるために身につけるべき力が明示されているため弱点を把握しやすく、国語の学習の到達度を測る指標として有効です。本校では今後も文章検を活用したいと考えています。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。
学校紹介
女子聖学院中学校高等学校 <創立>1905年
キリスト教(プロテスタント)を基盤とした中高一貫の女子校。「自分らしく、意欲と強い意志の形成」や「自由と規律」が特色。意欲、性格、才能に応じた学習支援体制として、授業だけでなく、上積みとしてのJSG講座(無料の課外講座)、フォローの仕組みとしての学習室(補習)、自学自習の習慣を確立し今日のつまずきを解消するJSGラーニングセンターなど、各自の意欲・レベル・目標に応じた学びができる環境を整えている。