学校法人、各種教育機関の指導者様へ
団体受検 取組事例
高校
「自分を表現する」「相手に伝わる」文章が書けるように
関東 / 神奈川
[私立] 立花学園高等学校
国語科 教諭 青木 達也 様
活用教材:7日間でチャレンジ文章作成ワーク 基礎から学べる!文章力ステップ4級導入授業:高校2年生 講座受講希望者対象 小論文講座(90分授業×6回)
本校の教育方針
本校の目指す教育は、一人ひとりを最大限に「伸ばす」ことです。個性豊かな教員の人間力により、生徒が将来に向かって着実な歩みを進められるよう、生徒理解に基づいた学習指導・生活指導・特別活動・進路指導を実践しています。生徒も教員も共に学び、成長しながら、生徒の健全な成長を促すことで、社会に貢献できる人材を育成できると考えています。
時代の変化と課題意識
近年、入学してくる生徒の様子に変化があると感じています。とても素直で真面目な生徒が多い一方で、対人コミュニケーションに苦手意識を持つ生徒が増えてきました。スマートフォンやSNSの普及により、チャット形式の短文で会話をすることに慣れ過ぎたのではないでしょうか。あるいは、核家族化によって大人と子どもの関わりが減っていることも影響しているかもしれません。 また、昔は全員で同じことに取り組み、互いにぶつかることがあっても、最後はそれを乗り越えて結束力が深まったように思います。現在は、互いの自主性や個性を尊重するあまり、衝突を避けて意見を飲み込んでしまう生徒が増えたように感じます。相手を尊重することは大切ですが、「自分を表現すること」の必要性を感じなくなってしまうことは問題です。 変化の激しい時代を生き抜いていくためには、多様な他者と理解し合い協力する力が必要です。そのためにも、「自分を表現する力」を身につけてほしいと思っています。まずは、自分の考えを相手に伝える練習をする機会をつくりたいと考えました。
本校の取り組み
本校では、生徒の多くが総合型選抜を利用して四年制大学へ進学します。そのため、放課後に進路指導部主導で小論文講座を開講しています。しかし、実際に講座で文章を書かせてみると、接続詞がなく全て箇条書きのように書いてしまう生徒や、だらだらと長い文章を書いてしまう生徒が散見されました。何か対策を強化する必要がありましたが、今年度はコロナの影響で、通常より短い期間で講座を実施せざるを得ません。そのため、短時間でできる効率的な文章指導方法を模索していました。 そんなときに、文章検と『7日間でチャレンジ 文章作成ワーク(以下、ななチャレ)』『基礎から学べる! 文章力ステップ(以下、文章力ステップ)』といった教材に出合いました。これらの教材は、文章を書く上で押さえるべきポイントが分かりやすく、かつコンパクトにまとまっており、特に、『ななチャレ』でまとめられている「1文を短く」や「つなぎのことば」は、まさに本校の生徒たちが抱えている課題にマッチしていました。上記の理由から、2つの教材の採用を決めました。 今回の小論文講座では「どうすれば相手に伝わりやすい文章になるのかを理解する」ということを学習のゴールとしました。学習には主に『文章力ステップ』を活用し、文章を書くために必要な力の第一ステップとして漫画形式で、視覚的にも取り組みやすい『ななチャレ』を部分的に使用しました。今まで授業で漫画形式の教材を使うことがなかったため、初め生徒たちは驚いていましたが、積極的に内容を読み込む様子が見られ、学習意欲喚起に効果的でした。漫画の内容に沿って解説し、練習問題に取り組ませると、生徒たちはいつもよりスラスラと書き出せていたように思います。その後の講座で驚いたのは、意見文の添削で「1文を短く」とだけアドバイスした生徒の文章が、次の授業で見違えるほど読みやすくなっていたことです(下記写真、左:初めに作成した意見文への添削→右:左の添削返却後に作成した意見文)。恐らく、『ななチャレ』で「1文を短く」を体感できたからではないでしょうか。
今後も、コロナ禍や時代の変化など、不測の事態が起き続ける社会だと思いますが、こういった学校外の資源や知見を有効活用し、試行錯誤しながら指導を進化させ続けていきたいと考えています。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。